上橋菜穂子さんの少し前の新刊です。

実は、出てすぐに買ったのですが、一気に読みたいと思うまま、本棚に大事にしておりましたが、やっと!読み通しました。

 



舞台はいつものように異世界で、出てくるイネと害虫の話も

この世界のものとは違うのだと思いつつ、どうしても「バッタを倒しにアフリカへ」が思い出されてしまいます。

香りから草木の言葉まで聞き取ってしまう、人の心まで察知できるようなそんな香りを読み取れる少女が主人公である話です。

けれど、背景には複雑な藩の間の権力関係と、F1種のような、しかも丈夫でよく実るけれど、ほかの作物がならないほどに土を変えてしまう稲による人口爆発。そして蝗害・・

なんだか歴史の一ページをめくっているような、そんな小説でした。しばしページをめくる手を止められず、数時間没頭しました。

 

まとめて時間を取れるときにぜひ読んでほしい。

守り人シリーズが好きな方なら、きっと響くと思います。

 

そういえば、あとがきに、違う世界の話だからバッタではないけれど、ウルド浩太郎さんにはお話が聞けなかったとあって、上橋さんも同じイメージを持っていらしたとわかってほっとしました。