誰のために撮るのか (5) ~写真と商品価値~ | takasanのブログ

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突然ですが、あなたには日頃ネットでチェックしている「大のお気入りカメラマン」がいるとして、仮にそのカメラマンから「私の写真、額装しますので、1万円で買ってください」と頼まれたら、あなたは購入しますか。

 

おそらく多くの方がそうだと思いますが・・・僕は買いません。絶対に。

それがどんなに素敵な写真であっても。どんなに上手い写真であっても。

 

理由は簡単です。「いらない」から。

「どうせ部屋に飾るのなら、家族写真のようなもっと大切な写真を飾りたい」から。

 

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多分、僕は普通の人より写真が好きで、普通の人より深く写真に携わっていますが・・・

そんな僕でも、「額に入れて居間に飾る」ための写真を購入したことは一度もありません。

 

写真集、雑誌、CDなど、写真が使われているコンテンツを購入する人はたくさんいます。

でも、写真を単体で買う人は滅多にいない・・・

「写真として鑑賞する」ことを目的とした単体の写真は、それほどまでに商品価値がないのです。

 

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逆に、上述のようなコンテンツに使う写真が欲しい、みたいな「明確な目的」があり、その目的を果たす写真であれば、人(企業)は「写真を購入したい」と思うものです。

 

そして、そんな写真を撮ることができるカメラマンを、人は「プロ」と呼びます。

 

アマチュアとプロの本当の違いは、「人が必要としている、商品価値のある写真を撮れるか」であって、「人に上手いと思われる写真を撮れるか」ではない・・・

 

そんな単純なことに気づくのに随分長い時間がかかった気がします。(笑)

 

 

P. S.

今まで多くの写真展で写真作家のオリジナルプリントを観てきましたが、観た瞬間に「この写真を(単体で)購入したい!」と本気で思い、値段までチェックして購入寸前までいった写真作家は2人だけです。

そのうちの一人は僕の大好きなジャンルー・シーフ、もう一人は僕の大大大嫌いな某チョートク氏です。(笑)