僕は60年代の洋楽をよく聴くのですが、友人に勧められて学生時代に初めて聴いたときは、正直全く好みではありませんでした。
ライブはいいとして、特にアルバム作品は、もう聴いていられませんでした。
ボーカルが強烈なのは分かるのですが、それ以外は、ギターもベースもドラムも単調で、言葉は悪いですが「稚拙」としか感じられなかったのです。
その後色々な音楽を聴き、稚拙だったのは自分の思い込みのほうだと分かりました。
ギターもベースもドラムも、意図的にシンプルにしているだけなのです。
アルバム作品ではライブのように聴衆を盛り上げる必要がなく、ただひたすら主役である「ボーカル」を引き立てるための演奏に徹しているのです。
そう考えると、僕が撮る人物写真も似たようなものです。
モデル以外は全く目を引くものがない、シンプルな写真ばかりです。
というのも、奇抜な構図やアングル、極端な焦点距離や絞り値で撮影した写真は、初見のセレクトで残っても、次のセレクト時にはもう飽きてしまうからです。
今年撮った写真を振り返ると、僕の撮影技術などまだまだ地味で稚拙なバックバンドです。
でも、2年半ほど前にストロボによる人物撮影にショックを受けて以来、人の目を引く「80年代の一発屋ミュージシャン」よりも、地味でも長く付き合える「60年代のロックバンド」のほうが好きになってしまったのです。(笑)
model: 鈴木える
Canon EOS 50D 17-55mm F2.8
@ m-Gra x うずらフォト vol. 5(2013年4月)
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