夏なので怖い話でもしてみようと思い立ち、昔の記憶を頼りに書いてみたのですが…。
染井は心霊的なものは、ほとんど視たことがありません。
(ごくまれに視えることもあるのですが、視えない方が多いです。)
しかし、何故だか視えないはずの者の気配だけは感じることができます。
なので、なんだか曖昧な話になってしまいました。
「それでも良いよ」という方はどうぞ。
夜、眠れなくなるぐらいの恐怖を求める方には物足りないかもしれませんが悪しからずm(__)m
染井が小学生だった頃。
都内に住む祖母と叔父が引っ越しをして、今まで住んでいた2階建てのアパートから11階建てのマンションに住み替えた。
引っ越す前後で最寄り駅が同じなので、生活圏はほぼ変わらない引っ越しだった。
引っ越しした途端、新しい住居のマンションから立て続けに2回、ベランダからマンションの脇の道へ向かって飛び降り自殺が起きた。
大人たちが「引っ越したばかりなのに…」と顔をしかめていたのを覚えている。
その後も祖母と叔父はそのマンションに住み続け、染井も週末に泊まりに行くことがしばしばあった。
昼間はベランダに出て外を眺めたり、祖母が育てていた植木を見たりしていたが、夜はベランダに出るどころか、カーテンすら開けることをためらった。
何かと目が合いそうで怖かったのだ。
それは幼い染井の恐怖心や空想が生み出したものだったが、実際にマンションの脇の路上には血の跡が残り続けていたのでそんな考えにも捕らわれるわけである。
その道を通る時、染井はその跡を避けて歩いていた。
祖母と買い物に行くことがあってその道を通ることがあったが、祖母は跡など気にせずズカズカ歩いていた。
が、何年たっても消えない跡の脇を通りながらふと気が付いた。
染井は血の跡を避けているのではなく、その跡から2~3歩離れたマンションの外壁の際にいつも何者かの気配がすることに…。
現に血の跡の上を歩くことは、実はできたのである。
弟と度胸試しのようなことをして歩いたのだ。
けれど、何かの気配を感じる場所には近づくことがどうしても出来なかった。
何年たってもその気配が消えることはない。
それに思いいたってゾッとした。
染井はとうとう一人で歩く時はマンションの脇の道を避けて、マンションの正面に沿った道を使うようになった。
それでも正面の道と脇の道は丁字に交わっているので、その場所をちらりと横目で見てしまうことがあった。
高いマンションの脇にある道ながら日当たりが良く、真っ昼間だと眩しいくらいに明るい道なのにあの場所だけ少し薄暗いような気がした…。
怪異に遭遇した時「気のせいかもしれないし、いっそのこと気のせいであれば良いのに…(T_T)」と、染井はいつも思います。
見えないので曖昧過ぎるからです。
こんな曖昧な話で良かったら、まだいくつかネタはありますが、どれもこれも曖昧極まりないと思います。
文章も稚拙で伝わりにくいかも(;゜∇゜)
なお、関係者の方にご迷惑がかかるといけないので、具体的な場所については伏せさせていただきます。