体調不良を訴えた翌日、母は仕事に出ようとします。
しかし、昨夜より更に滑舌が悪くなり、歩き方も危うくなっておりました。
「病院に行った方が良い」という染井や染井の父の言葉に耳を貸さず、母は車に乗り込んで仕事場へ向かおうとします。
母はホームヘルパーで、自宅から仕事場である利用者さんの家まで車で通っていました。
運転に支障があるのではないかと不安だったので染井と父は相談し、当時ペーパーだったとはいえ一応、運転免許の所持者だった染井が同乗して仕事場に着いていくことにしました。
結果、運転は心配するほど問題はありませんでした。
しかし、車から降りて仕事場に歩いて向かう母の歩調は、やはりいつもより重く感じました。
一抹の不安を感じた染井は仕事から戻ってきた母に、「病院に行こう!」と訴えました。
が、母は呆れ顔で「行かない!」と言い張ります。
母は我が強く、自分が決めたことを曲げられるのを嫌います。
その頃、染井はクソニートと言っても過言ではない身分(今も変わりはないのですが、介護人の肩書きが付いたため発言権が強くなりましたw)だったため発言権が弱く、また何が不安なのか具体的に説明することもできなかったため、口を閉ざす以外なくなりました。
父と母はぶっちゃけ家庭内別居に近い状態なので話し合うことすらせず、とうとう母の体調不良は棚上げ状態となりました。
それから2か月近く経った4月下旬、ついにその日が訪れたのです。
続く