■下請けに入るべからず

私の知人は広告制作会社を立ち上げて独立しました。

 

そして、彼はある大手企業A社の下請けに入りました。彼はその大手企業A社のディレクターという肩書の名刺を持って相手先企業との打ち合わせを行っていました。

相手先企業からは彼がA社の広告制作部門の社員のように見えますが、実際にはA社の下請けの仕事を行っているのです。

彼は直接、相手先の企業と打ち合わせを行い、広告制作を行いました。


しかし、お金の流れは下記のとおりとなります。

クライアント企業→A社→彼

当然、彼のもとに入る制作費はA社に中抜きされますから、受け取る利益は少なくなります。そのため彼は忙しい年月を過ごしましたが、結局、利益はそれほど出ませんでした。

弱者の経営戦略の基本は直接戦です。

 

ビジネスで言うと問屋や代理店を通さずにお客様と直接取引をするのが基本戦略となります。

今の私は講演会の講師を主な仕事にしていますが、多くの講師志望者が講師派遣会社に登録をして仕事を得ようと考えます。つまり仕事の流れは下記のようになります。

講演会主催者→派遣会社→講師

これだと前述の広告制作会社を立ち上げて独立した知人と同じです。当然、手に入る利益は少なくなります。

それ以上に問題なのは受注確率です。


たとえば講師派遣会社A社に登録している講師が100人いるとします。

そして、講演会主催者から講師派遣会社A社に対して講師の派遣要請が来ます。


講師派遣会社A社は登録している講師100人全員を主催者に紹介するわけではありません。

せいぜい登録している100人のうち講演主旨に適した3人~5人程度です。


この段階で一回目の競争確率が発生します。つまり、登録している講師同士の競争に勝たないと主催者には紹介されないのです。

しかも日頃から講演会主催会社の元には講師派遣会社B社や講師派遣会社C社も訪問していますから、B社やC社にも講師の派遣要請が行っています。

B社とC社も5人程度の候補講師を紹介しますから、結局、講演会主催者の手元には総勢10~15名程度の候補講師の資料が届くことになります。


この段階で二回目の競争確率が発生します。つまり、他の派遣会社に登録している講師とも競争しないといけないのです。

しかも、講演会で登壇するのはたいてい一人です。


A社に登録してこういった競争を勝ち抜き、たった一人の枠を獲得して登壇する講師になる確率がどれほど低いか簡単に想像がつくはずです。

しかし、もし講師自身が講演会主催者にアプローチして交渉をすることができれば競争確率がぐんと下がります。

この考え方が理解できれば、なぜ弱者は下請けに入ってはいけないのか、あるいは弱者は直接戦で仕事を行うべし、と言われるのかがわかるはずです。

あなたもマイクロビジネスを軌道に乗せたいのであれば卸、代理店、エージェント、販売店を通してビジネスを考えてはいけません。

弱者企業の戦いの基本は直接戦です。

問屋や代理店を通さずにお客様と直接取引をする方法、仕組みを作りましょう。

 

 

累計講演回数1000回超!ビジネス心理学講師・酒井とし夫