先日、生まれて初めて一人で映画館に行った。


事前にネットでチケットを購入し、劇場へ向かった。

当日劇場に着くと、今まで見たこともない人だかりができていた。

夏休みも終盤だったからだと思う。

心底予約しておいてよかったと思った。


チケットを引き換えようと、メールに記載せれていたパスワードを確認しようと携帯を見たとき


なぜか電源が切れていた。


電源を切った覚えはない。

無意識のうちに切ったのか?と考えながら携帯の電源を再び入れた。

当然のことながら起動した。

しかし、次の瞬間


「充電してください」


の文字の表示とともに電源が落ちた。

意味がわからなかった。

なぜなら、家を出る前に充電をしてきたからだ。


そんなことはどうでもいい。

問題は、パスワードがわからないことだ。

パスワードをメモしてこなかった自分を心の中でかなり叱った。


せっかく予約したのに、しかもクレジット決済だから…


駄目もとで劇場の方にたずねた。

すると、電話番号と名前を訊かれ、チケットを発行してもらえた。

上映開始5分前の出来事である。



私が観た映画は「桐島、部活やめるってよ」だ。

たまたま録画していたエンタメ番組で紹介されていて

面白そうだなと思って観に行きたくなった。


桐島という人物がきっかけで、誰かの日常が変化する。

あの人も、この人も、無関係に思えるその人も。


私が気に入ったのは、女子生徒たちだ。

自分がその場にいたらきっと同じようなことをいうであろう会話。

そして、誰のためなのかわからない気遣い。

女は面倒くさい。

それに比べて男子生徒ときたら、アホだ。

おそらくどこの高校にでも多かれ少なかれある光景が、この映画にはあった。


人には探せば譲れない何かがある(ような気がする)。

その「何か」の存在が脅かされたとき、人はどうするのか。

何もできないかもしれないが。


さて、この映画の主役はいったい誰なのか。

この疑問の意味は、映画を観た人にしかわからない。


桐島の気持ちを知るには…ドラえもんにでも頼んでみるか。