NHKニュース

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2020年4月4日 8時01分

 

新型コロナウイルスの感染が拡大するアメリカでは、症状が回復した患者から血液の成分の一つ、「血しょう」を採取し、重症患者に投与して治療しようという研究が始まっています。

新型コロナウイルスをめぐっては、効果が十分に確認された治療薬はまだなく、ワクチンも開発の段階です。

こうした中、アメリカのニューヨークやテキサス州ヒューストンの医療機関などが血液の成分の一つ、「血しょう」を使った治療法について共同で研究を進めています。

研究では新型コロナウイルスに感染したあと、症状が回復してから一定期間が経過した人の「血しょう」を採取し、安全性や含まれる抗体の値などを調べるなどしたうえで、治療中の患者に投与します。

「血しょう」の中に含まれる新型コロナウイルスへの抗体は、患者の回復を助ける効果があると期待されているということです。

現在、回復した患者からこの研究のために「血しょう」が提供されていて、呼吸困難など症状が比較的重い患者に投与される見通しだということです。

「血しょう」を使った治療法は100年以上前から行われ、インフルエンザやエボラ出血熱などの感染症の治療にも使われています。

専門家からは、新型コロナウイルスのワクチンが開発されるまでの間の一時的な治療法として期待されています。

ただ、研究にあたっている専門家は、「確実な治療法が見つかったわけではなく、感染拡大の防止に重要なのは手洗いや外出制限の徹底であることに変わりはない」としています。