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 カレンダー商戦が終盤に差し掛かっている。生活雑貨専門店のロフトは9月中旬から品ぞろえを順次拡大し、10月上旬から年末にかけては「最大の展開」(広報担当者)をする。

 

 カレンダーの種類はさまざまあるが、売れ筋のテーマは大きく変わらないとされてきた。シンプルでスタンダードなものは昔からの定番だが、「花、猫、風景を扱ったものが鉄板」(カレンダーの企画担当編集者)だった。また、人気のアスリートやアイドル、占い関係なども根強い人気を誇っていたが、近年はどのような変化があるのだろうか。

卓上カレンダーが増えている

 年末になると、どの会社にも取引先から届けられたカレンダーが山のように積まれ、総務担当者が「持ち帰ってください」と社員に呼び掛けるのは一種の風物詩的な光景だ。持ち帰ったカレンダーを壁に掛けていた家庭も多かったのではないだろうか。

 しかし、現在はこういった壁掛けタイプの“社用カレンダー”が減少しているため、自分専用の卓上カレンダーを購入するお客が増えているという。ロフトの場合、今では壁掛けカレンダーより卓上カレンダーのほうが売れている。

 広報担当者は、卓上カレンダーを自分の仕事机に置くケースが増えているとみている。お客のニーズはさまざまだが、場所をとらないコンパクトなタイプも人気で、高さが8センチ以下で、PCモニターの下にも置けるような卓上ポスターもある。

プーチン大統領と屈強な消防士

 カレンダーの売れ筋をチェックするのに便利なWebサイトがある。全国で112店舗(2018年3月現在)を展開するロフトのECサイトだ。リアルな店舗の売り上げとの相関性もあるので、出版社のカレンダー担当者も参考にしている。ロフトは店舗により品ぞろえに差はあるが、最大で約1000種類のカレンダーを扱っている。

 18年11月22日時点で過去1週間の売り上げランキングをみると、あることに気付く。それは、かわいいキャラクターを使ったものが上位を占めているのに、8位に屈強な上半身をさらしているプーチン大統領の卓上カレンダーが登場するのだ。商品紹介ページを閲覧すると、犬と戯れていたり、自転車に乗っていたりする写真も掲載されているようだ。11位にもプーチン大統領の写真を豊富に掲載した壁掛けカレンダーがランクインしている。

 ロフトは数年前からプーチンカレンダーを取り扱い始めた。広報担当者によると、特に若い男女が購入しているという。同社では年末年始のギフトや忘年会の景品として購入されているのではないかと分析している。ただ、その一方で「なぜ、ここまで売れているのかは正直分からない」ともコメントした。

 いわゆる「ガチムチ系」のカレンダーはプーチン大統領に限らず人気のあるジャンルのようだ。同ECサイトの25位には、たくましい上半身をさらした消防士の姿が出現する。また、33位と34位にも上半身の筋肉を誇示する消防士カレンダーがランクインしている。

羽生結弦に迫る宇野昌磨

 日本最大級の書店である「紀伊國屋書店 新宿本店」(東京都新宿区)のカレンダー売り場を訪ねてみた。

 カレンダーコーナーに行くと、目立つ場所にフィギュアスケートで人気の羽生結弦選手と宇野昌磨選手の壁掛けカレンダーと卓上カレンダーがそれぞれ並べて置いてあった。どちらのほうが人気があるのかと店員に質問すると、少々考えたあとに「壁掛けタイプでは羽生選手ですが、卓上タイプだと宇野選手ですね」と教えてくれた。

 店員によると卓上カレンダーの『万年日めくりカレンダー 宇野昌磨』は、写真とともに宇野選手のユニークな「名言」と「迷言」が楽しめるもので、ある雑誌で紹介されたのをきっかけに人気が爆発したという。

 世界グランプリで圧倒的な好成績を誇る羽生選手だが、カレンダーの売り上げでは宇野選手の“挑戦”を受けているようだ。

岩合光昭さんの猫カレンダーが増殖中

 動物写真家・岩合光昭さんが撮影した猫をモチーフにしたカレンダーが増えている。ある出版社のカレンダー企画担当者も「ここまで種類が多くなるとは」と驚くほどだ。

 実際、どのようなものが販売されているのだろうか。記者が確認しただけでもここ数年で「世界の猫」「ボス猫」「世界のボス猫」「日本の猫」「幸せな気分になる『福ねこ』」「野良猫」「世界ネコ歩き」「猫同士の触れ合い」といった切り口のものがあることが分かった。紀伊國屋書店 新宿本店で猫のポスターが並ぶコーナーでも“一大勢力”を誇っている。

 猫ほどではないが、犬のカレンダーにもちょっとした変化が出てきている。これまでの定番だった柴犬に加え、秋田犬の人気が高まっているのだ。プーチン大統領やフィギュアスケートのザギトワ選手に愛されていることから、話題となった。書店のカレンダーコーナーでは「ぬくぬくもふもふした小さな秋田犬」「白い秋田犬」といった特徴のある商品が並んでいる。

 社用カレンダーが廃れることで、自分用のカレンダーを買い求めるお客が増えた。その結果、商品構成も年々幅広くなっていっているのかもしれない。