「ありあまるほどの、幸せを」 111 | 空に揺蕩う 十時(如月 皐)のブログ

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「そういうことでしたら、我がロランヴィエルにお招きいたしましょう。私の所でしたら陛下や王妃殿下がお越しになっても不自然ではありませんし、時期を考えるにも私がお招きしたという形にするのが無難かと。それに、顔合わせという名目でしたら兄妹伴侶だけではなく、領地から私の父も呼びましょう。ノーウォルト侯爵の前当主は御容態を聞く限り無理はお願いできないでしょうが、ソワイル侯爵と夫人もご予定が合えば、ぜひご一緒に。そうすればカロリーヌ夫人も少しは緊張も解れるかと。私の仕事の都合でと申し上げれば、時間を区切ることもできるでしょうから、アシェル殿の身体を考えてもこの辺りが落としどころではないでしょうか」

「あぁ、それなら私の都合も理由に加えておけば、より時間厳守にできるだろう。お茶会の時間がズルズル延びるのはあまり良くないからね」

 ルイの提案を後押しするようにラージェンが付け加える。確かにそれは考えうる限り最善の策で、カロリーヌの負担を考えていたジーノからすれば飛びつきたいほどだろう。そもそもお茶会などしたくないというアシェルの思いは彼らの中で遥か彼方に放り投げられ、既に話はお茶会の内容に移行していた。