およそ半年前の3月6日、小倉駅前から夜行バスに乗り込む男がひとり・・・


行き先は阪神競馬場


その目的は・・・



1986年秋・・・


一頭の牝馬が偉業をなしとげた


春の桜花賞、オークスに連勝した彼女は、秋初戦の関西TVローズステークスを順当勝ち、11月2日の京都でエリザベス女王杯を勝ち、史上初の牝馬三冠馬となった


メジロラモ-ヌは河内洋を背に、その名を競馬史に残すことになった





2007年2月19日


一頭の馬がこの世に生をうけた


スティルインラブの07


先日中央を抹消になった、ジューダだ



男はこの馬のデビュー戦を見るために、夜行バスに乗り込んだのだ





河内がラモーヌと快挙をとげて17年


その時間は「競馬はG1くらいしか」と言っていた男の競馬に対する考えを変えるのに、十分すぎるきっかけを与えていた


そのひとつに、一人の騎手との出会いがあった



1999年の中山競馬場   スプリングステークス


天候は雨


馬場は不良



1800m先のゴールを先頭で駆け抜けたのは、11番人気、領家厩舎のワンダーファング、屋根は94年のデヴューで重賞二勝目を逃げ切り勝ちの、幸英明



馬連6420円は「いただきます」だったな




それから男は、幸を意識して買うようになっていった





2003年春、幸は桜花賞を勝ち、G1ジョッキーの仲間入りをはたした


続くオークスも覇をなすわけだが、ある騎手からこう声をかけられたらしい


「いい馬やな。強くなるで」



河内洋


17年前に牝馬三冠騎手となった男だ


その声に応えるように秋華賞を勝ち、幸と彼女もその名を競馬史に残すことになった





その後は勝ちに恵まれず、2005年10月16日 府中牝馬を最後にターフを去った彼女・・・・・



      スティルインラブ




「G1馬がこんなんじゃ・・・」という幸のコメントも無念さが滲みでてる






その後繁殖入りした彼女が、キングカメハメハとの間になした仔・・・




体質的に弱くデビューが遅くなったが、そこは良血、一番人気に支持されたレースは4着


その後、中京、京都と使われ7月17日の小倉11着を最後に中央から去ることになった、彼




行き先は未定らしいが地方でふたつ勝ち、あらためて中央で活躍してほしいと望まずにはいられない





母父サンデーサイレンス父キングカメハメハの馬は、スティルのライバルだったアドマイヤグルーヴの仔、アドマイヤセプターなどいるが、母スティルインラブの仔は彼しかいないのだから




そして彼は、いま、この文章を読んでくれている多くの仲間と実際に出会うきっかけをくれ、今までとは違う競馬を知ることができた、そんな馬なのだから