前回のあらすじ

駄菓子屋「憩い」にやってきたヨーヨー世界チャンピオン。技を披露しようとした三郎だったが、力みすぎて手が滑り、ヨーヨーが股間にダイレクトアタック! 悶絶しながらカンフー声を張り上げて跳ね回る三郎に、現場は爆笑と混乱に包まれるのだった――。



【第四十四話】【昭和51年】        衝撃のラスト!? コカコーラヨーヨー  内田の大技と奇跡のプレゼント


三郎の悲劇(と奇行)がようやく落ち着いた後、技の披露が再開された。

続いて前に出た太陽は、流れるような手さばきでスマートに技を決め、見事チャンピオンから記念のワッペンをゲットした。

「流石だな、太陽!」

健一たちが拍手を送る中、満を持して登場したのは「阿部ちゃん」こと阿部洋子だ。

洋子はなんと両手にコカ・コーラのヨーヨーを構えると、巧みな操作で二つのヨーヨーを同時に軽やかに回してみせた。

「うわっ、ダブルで回してる!」

「すごい、カッコいいーっ!」

見事な技の連続に、ギャラリーからは大歓声と拍手が巻き起こる。チャンピオンも親指を立てて絶賛した。

「ナイス! 素晴らしいテクニックデース!」

ちなみに、股間を押さえながら復帰した三郎も、一応頑張った(?)ということで参加賞のステッカーをもらい、なんとか面目を保ったのだった。

「はい、それじゃあ今日のヨーヨーショーはこれでおしまいね〜!」

駄菓子屋「憩い」のおばちゃんが声をかけると、周囲からは名残惜しそうな声が漏れた。

その時だった。

「ちょっと待ったーーーっ!」

響き渡る大声に、全員が一斉に振り返る。

「……え、誰だ?」

「君、誰や?」

首をかしげる宮本に、健一も「知らんなぁ……」と呟く。三郎に至っては、股間をさすりながら「知らんなー?」と首をひねる始末だ。

しかし、その人物――メガネを光らせた内田は、みんなのすっとぼけを完全に無視して堂々とチャンピオンの前に歩み寄った。

「最後に僕のヨーヨー技をお願いします!」

チャンピオンは満面の笑みで頷いた。

「イイですよ! ヘイ、ボーイ! レッツゴー!」

「サンキュー! 行きます……まずは『犬の散歩』!」

内田が力強くヨーヨーを振り下ろすと、ヨーヨーは見事に勢いよく回転し、地面の上を滑らかに転がり始めた。

「おおっ、うまくいった!」

思わず拍手しかけたその瞬間――スポンッ!

糸の結び目が解けたのか、勢い余ったヨーヨーが紐からスリ抜け、そのままコロコロと道路の方へ転がっていってしまった。

「あっ……!?」

ガラガラガラ……ッ!

運悪くそこへ走り込んできた自動車のタイヤが、転がったヨーヨーを無情にも踏み潰す。

ドシャッ!!

「「「えーーーっ!?!?」」」

周囲から悲鳴が上がる中、内田は青ざめた顔で道路へダッシュした。

拾い上げたヨーヨーは、跡形もなく粉々に砕け散っていた……。

呆然と立ち尽くす内田。その肩を、チャンピオンが優しく叩いた。

「ヘイ、ボーイ……落ち込まないで。ユーに特別なプレゼントです!」

そう言ってチャンピオンが差し出したのは、なんとイベントの優勝景品である特別な「限定スーパーヨーヨー」だった!

「えっ……!? これ、僕に……!?」

愛機を失ったショックから一転、超激レアヨーヨーを手に入れて目を丸くする内田。

悲劇なのか幸運なのか分からない衝撃の展開に、「憩い」の前は再び大きな歓声と笑いに包まれるのだった――。



今日も最後までお付き合いいただき、  ありがとうございました!


ヨーヨーの限定ワッペンやステッカー、みんな夢中になって集めましたよね。

チェリオや7UPの王冠の裏をめくって「あたり」が出ないかドキドキしたり、友達の持っている限定ヨーヨーが羨ましくてたまらなかったのを思い出します。




それでは、また次回の『六年三組のタイムカプセル』でお会いしましょう!


サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ


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