真実とは何か? | 私の小説集

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色んな小説を書いていきます。シリーズものや短編集など様々書いて行けたらいいな。
※盗作はやめてください

しばらく走ったケンタウロス達はとうとうオリエンスを見つけた。
「あなたが行っていることが何なのかわかってるでしょう?今すぐに書を返しなさい。」
ウンディーネがケンタウロスから降りてそう言った。
「お前達には絶対に渡さんぞ!そらデマゴーグ様のお出ましだ。」
「まだ生きてたのかよ!」
ディオは自分のかけた呪文でとっくにデマゴーグはやられたとばかり思っていた。
「君には散々な目にあったからなたっぷり仕返しはさせてもらうぞ。」
ディオもケンタウロスから降りてデマゴーグを睨みつけた。
「望むところだ。僕らが勝ったらその書を渡してもらおう。」
ディオが叫んだ。
「じゃあ負けたらどうするんだ?」
皮肉たっぷりにデマゴーグがディオに聞いた。
「僕らが負けたら好きにすればいいさ。」
「いいだろう!」
ケンタウロス、ディオ、ウンディーネはデマゴーグとオリエンスと戦った。弓のアルクスを使ったり、ピルムバタ(投げや)を使って攻撃を図った。
その様子をゴブリンは笑って見ていた。
「ゴブリンも手伝ってくれよ。」
ディオがゴブリンにも戦うように言ったがゴブリンは首を横に振るだけだった。

オリエンスが迫りケンタウロスへ呪文を投げかける

その呪文は魔法陣となりケンタウロス達を包み込んだ。

なかなかやるじゃないかと、今度はディオがオリエンスに呪文をかけた。

ズゥゥゥン……

デマゴーグは少しよろめいたが正気を取り戻した。

そして今度はケンタウロスが鬼気迫る表情で火炎魔法を詠唱した。
立て続けに発生した爆炎が、醜悪なるデマゴーグ目掛けて襲いかかる。

デマゴーグを焼き焦がす火炎は、彼の怒りそのものであった。

するとどうだろう、デマゴーグはみるみるうちに焼け焦げてどさっと地面に倒れた。

とっさにオリエンスがデマゴーグのところへ駆け寄った。
その時ウンディーネがオリエンスから書を奪った。

「やったあ。」

ディオとケンタウロス、ウンディーネは喜びのあまり抱き合った。

そして遠くでその様子を見ていたゴブリンの目にも涙が溜まっていた。

彼等はとうとう術士アブラメリンの聖なる魔術の書を取り戻したのである。

「あっ!しまった。」
オリエンスがそういった時にはすでに遅かった。

そしてオリエンスも駆けつけた他のホーラ達に取り押さえられ処罰されたのであった。