昨日、Queenlyとお出かけして駐車場からマンションまで歩いていたら、何処からか良い香りが…

るん♪「良い香りがするね〜?何の香りだっけ?」

Queenly「金木犀だよ。もうそんな季節なんだね〜。ついこの間正月が来たと思ったら、もう秋だもんね。年とるとホントに1年が早いな…」

(´・ω・`)「そうだね…我が家のカレンダー、あと残り2枚だもんね…」

金木犀の香りにnipa*音符ってなったのに、二人して年を感じて…
なんか落ち込む会話になってしまったわ(´-ω-`;)汗


週末、外泊をする兄を迎えに病院へ…
月に1度、3泊4日の外泊
今月はお彼岸に合わせての外泊

兄は心の病で人生の半分以上を病院で過ごしている
繊細で優しいが故に心が壊れてしまった兄は夢の世界の住人となった

心の病
世間で何か事件が起き、犯人に心の病での通院、入院歴があるとそれを強調する
心の病の患者=不審者、危険人物
そう一括りにする人は多いだろう

でも、そんなの極々僅かな人だということ
そんな偏見によって本人や家族がどれだけ傷付いているか…
そして、その偏見が故に心の病を抱えていても世間体を気にして病院へ行く事を躊躇い、治せる時期を逃して心が壊れてしまう人が多いこと

特に日本人は知らない人が多過ぎる

兄は今年還暦を迎えた
見た目は70を過ぎた老人に見える
穏やかで優しい人ではあるが、やはり見た目は少し違って見えると思う
普通に話をしていたかと思うと空想の中の出来事を現実として話し出す
現実の世界と空想の世界が入り交じった話に私は時々イライラしながらもサラリと受け流せるようになった

高校生の頃だったか?
兄の病を受け止めるには幼かった私は、そんな兄の空想にイライラし、我慢出来ずに兄の顔を一発殴った事がある
何も言わず、怒りもせずにうつむいてる兄を見て、自分が情けなくて許せなくて泣いたっけ…

先月の外泊の際、迎えに行った車の中で、兄がその話をした
「カシュちゃんのパンチはプロボクサー並みだからね!Queenly君と喧嘩してもパンチはしちゃダメだよ」と笑ってた
「わかってるよ〜」と言いつつ、笑いながら話していても、兄の心の中には大きな出来事として残っている事を感じ、今更ながらホントにとんでもない事をしたな…と、申し訳ない気持ちでいっぱいになった

今月の外泊は迎えに行き、買い物をしてから父のお墓参りに…
父が亡くなった事を理解しながらも認めたくない兄は、お墓の前に立つと「お父さんは此処にはいないんだよ。今はある国で研究をしてるから、もう少ししたら帰って来るんだ」と言う

それは、そうであったらいいな!という思いが兄の中では現実でもあって…

受け入れ難い現実は自分の中で書き換えてしまい、それが事実になる
そんな兄を時々羨ましく思ったりもする

お墓参りを終え、実家に着くと、兄がバッグの中から包みを取り出し、「カシュちゃん いつもありがとう!」と…
いつもお菓子やカップ麺を買って帰り際に渡してくれる兄

いつものように「ありがとう!」と何気なく受け取った小さな包みの中には時計が入っていた



値段もそのままの時計

高価な時計ではないが兄の優しさが詰まっている

心の病であっても、殴られた事があっても私を可愛い妹として大切に思っていてくれる事は変わらないのだと…

私は親しくなった人には兄の病を隠す事なく話す
そこで離れていく人はそれだけの付き合いだと思うから…

確かに兄の病で自分の夢をひとつ諦めざるを得なくて腐った時期もある
でも、それがダメだったからと兄のせいにして他の目標を持たずに腐った自分を、今になるとやる気がなくて逃げてただけだとわかる

兄の病を通して見えたいろんな事
諦める事よりも、自分にとってプラスになった事の方が多い気がする

自分勝手で我が儘だった自分が、相手の気持ちを考える事、人に優しくなれた事
それは兄の病を通じて変われたんだと…

他人から見たら変な人、おかしな人
でも、私にとって兄は大切な家族
時々イライラもするけどね!
それはどんな家族でも一緒でしょ?

人に優しく、自分に厳しく!
Queenlyにも厳しく!
そんな自分でいたいと思います

お兄ちゃん
時計ありがとう!
大切にしまするん♪