家賃2万円の借家… | お化けの運動会

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先日、事業に失敗して夜逃げ同然の状態。
家族にも逃げられ、私の元に残ったのは、一匹の飼い猫だけだった。
家も無くしてしまった私は、仕方なく借家の一軒家を探して不動産屋巡り。
なぜ一軒家に拘ったかというと、やはりアパートでは猫が飼えないからだ。



なかなか思うような物件に巡り合えなかったが、とても贅沢は言えないので、
薄汚れた一軒家を契約。
確かに最寄りの駅からバスで30分くらいの不便な立地ではあったし、築30~40年
くらいは余裕で経っていそうだったが、3LDKで家賃2万円は、近隣の相場から考えても破格に安かった。
モチロン一瞬、事故物件を想像しないでもなかったが、家賃は安ければ安いほど有り難かったので、目をつぶった…



正直一人住まいでは広過ぎるくらいなので、普段の生活は1階を使い、2階は
ほとんど使わなかった。
引っ越してから、しばらくは何事もなく過ぎて行ったが、ほどなく、夜寝ていると、
2階を誰かが徘徊しているような気配、足音、そして階段からもギシギシと音が
聞こえるようになった。
つとめて気にしないようにと思ってはいたものの、いつかモロに見てしまいそうで
気が気ではなかった。
私自身は出来るだけ2階に行かないように、階段に目線も送らないように気をつけていたのだが、何故か猫が頻繁に2階に上がって行くようになった…



ある日、寝る時間になっても2階から戻ってこない猫が心配になり、恐る恐る2階へ上がってみる…



奥の部屋の中央で発見したが、何故か空中に向かって手を伸ばして
猫パンチを繰り出していた。
まるで空中にぶら下がってる何かにじゃれつくように…



それから数日経って、遅い時間に職探しから帰宅。
玄関を開けると、猫が階段を睨んで、低い声で唸りをあげている… 



その刹那…



2階からブワッと真っ白い煙のようなものが降りてきて部屋中を覆った。
一瞬、火事かっ!?と思ったが、異常なほどに冷たい…



徐々に煙(のようなもの)が退いていき、残ったのは鳥肌が立つほどの冷気…



ゾクッと身の毛がよだち、後ろを振り返ると、



首にロープを巻きつけ



白目を剥いた



口からベロをだらんと垂らした



どす黒い顔をした



黒髪の長い女が立っていた……





引っ越したいが先だつものがない…



そしてどうやら、この家には風呂場にも何かがいる…