数年前、友人達数人と肝試しに行った。
向かった先は、この界隈で有名な心霊スポットである廃墟、山本邸。
なんとも形容しがたい異様な外観に尻込みする一行。
最近では、そのテの投稿番組が人気な事もあり、ビデオカメラを片手に持参。
カメラを意識して『お邪魔しま~す』…なんて言いながら入っていった…
テレビのレポーター気取りで、『ここはリビングですね…』とか、『寝室です…』
なんて、実況しながら、その全てをビデオカメラに収めて行く…
肝試しの連中が書いたのか、部屋中に書きなぐられた落書きが異様な雰囲気を
醸し出してはいたものの、特に何もおこらず拍子抜けだった。
最後に『お邪魔しました』…と礼儀正しく(苦笑)挨拶をして、退室するまでの模様を全て録画した。
帰りの車の中で、一人がはしゃぎながらビデオを再生したんだけど…
最初の『お邪魔しま~す』の後に、小さな男の声で『いらっしゃい…』という声…
ゾッと身の毛がよだった……
そして最後に家を出る時に言った『お邪魔しました』の後には、ハッキリと
『待てコラぁ』という怒声が入っていた…
車内はもう騒然として、泣きじゃくる女の子までいた…
そこで突然、携帯の着信音。心臓が止まるかと思った…
出てみると母親からで、
『たった今、アンタに男の人から電話が掛かってきたよ』とのこと。
『誰から?』
『山本さんて言ってたけど…』
?????
自分には山本なんて知り合いはいない… 唯一思い当たるフシがあるとすれば、今の今まで訪問していた廃墟の表札…… (((゜д゜;)))
『用件は聞いたの?』
『それがなんだか、“もう一回来ればわかる”って言ってたよ…』
モチロン、もう一度山本邸に戻る勇気はなく、そのまま逃げかえってきたんだけど、もしも戻ったら、なにが分かったんだろう………
※一部脚色した部分はあるものの、この山本邸…
有名な心霊スポットとして実在するそうです…