2024年6月3日(月)夜の部 新宿歌舞伎町劇場にて大衆演劇を見てきました~。
劇団丞弥。初見です。
東京初乗りの劇団さん。関東はホテルニュー塩原での公演実績があるようです。
座長は澤村丞弥さん。インターネットで調べてみると、劇団天華のご出身で2019年に旗揚げされたそうです。
歌舞伎町劇場のSNSで、インタビューに答える丞弥さんがカッコよかったし芝居のコマーシャル動画もよかったし、口コミも良くて。
座長女形芝居に、大いに期待して行ってくる~
お笑いアドリブが多かったせいもあるけど、100分の芝居、おもしろかった~(長さではなく見応え感が尺度)
このレベル2500円で観れるの大衆演劇ってスゴイ
まぐれかもしれないので、また観に行こ
芝居:お銀片割れ月夜
芝居のレポはいくつも落ちていますが、初見でも分かりやすい話になっているし最後にアッと思うので、予習しないで行った方がいいかもしれないです
ミステリ要素あり、ヒーローもの殺陣もあり、義理人情もちょいあり、考えさせられる要素もあり。芝居が好み
最初からオモシロが多くてキャラも濃いし楽しく見ていましたが、あのお笑いアドリブは必然だったのかと思わせる伏線が多くありました。
最後はまさかの涙キタ
伏線しっかり回収され気持ちよい
キャラクターの言動に一貫性があって作り込まれていて、ストーリーに矛盾なく、最後は泣いて涙活スッキリ、役者さんの熱演のおかげもあり作品を堪能できました。アタリ回!
どこかで外題を目にしたなぁと思ったら、今年3月三吉の劇団千華で公演実績がありました
インターネットでこちらの外題を探すと2006年8月の劇団美鳳@篠原演芸場での公演実績レポあり。「若葉しげるが書き下ろした芝居」という観客情報もありました。へー。そうなの。
配役 ※敬称略
女将:澤村丞弥
主人:橘小寅丸(月間ゲスト)
ヤクザ:千道(月間ゲスト)
旅人 仙太郎(当て字):天海翼(月間ゲスト)
板前:澤村すばる
その他:澤村琉希、澤村美乃梨、澤村紬希
感想 ※ネタバレ
父親を何者かに殺された娘。容疑者の目星は付いている、非力な娘は復讐の想いをどうにもできない。困り果てる娘の前に、ひとりの男性の姿が・・・。
未解決の殺人事件の行方はいかに!娘のジューンブライドの花嫁姿(火サスの6月名物シリーズらしい)はいかに!感動のラスト
火曜サスペンス劇場ならぬ、月曜の歌舞伎町劇場で
ご期待ください!(こういうCMがあった気がする)
さぁ~眠りなさい~疲れ切った~体を投げ出して~
と、火サスのテーマ曲・聖母たちのララバイの曲は流れず、「芝居中の撮影はダメよ」のアナウンスが流れまして、定刻通りに幕が開きました。
舞台は江戸時代の旅籠屋。場面転換は無し。
ラストの片割れ月夜、の台詞の際には、背景ビジョンで月が出てました
*****
丞弥さん演じる女将。イラついてる感じなのに男性が演じるから女のイヤな部分がオモシロになってていいわ
そのイラつき分かる~。なんで亭主ってあんなにイラつくのかしら。夫をイビる女将、あ~スッキリ
また小寅丸さんのビクつきがイライラを増長させるあたり、面白かったわ~
旅人役の天海翼さんがキセル煙草を吸うんだけど、民俗博物館とかであるやつだソレ!実際に吸ってるところ見れて貴重でした~。早めに消してくれました
女郎さんたちがお祭りへ行くシーンもありました。新人さん面白くなってました~この女将なら、若い子イビリがないとねイビリとオモシロのバランス、ちょうどよかったと思いますこれも女将の性格を表すシーン。
兄弟分が会うシーンはまぁいいけど、小寅丸さんが一変するシーン以後はオモシロ無しがいいと思います。
このあと、殺人計画を練るんだろうか
女などヤクザの手にかかればイチコロなんだけど、女将を殺害した後で追われれば意味がないし、頭の悪そうな弟分は追われていて口も軽そうだし。弟分を利用して消すのか
綿密な計算ができる真犯人たる主人、だと脳内変換しました小寅丸さんのハケ際なりで尺をとっていただき、悪人へと変わる顔を見たい~。
丞弥さんのアドリブで、(金魚の話題で)役者の本業を忘れないぞ、という趣旨の発言。こういう芝居への意気込みをチラと聞けて嬉しいわたし
丞弥さんオリジナルなのか元々の脚本なのか分かりませんが、次の3点が特にわたしのお気に入り
「ねぇ?」は何度見ても面白くて、女子が同意を求めたがる本能(単独活動すると死ぬから)をうまく表していました
お局って「ねぇ?」ってやるよねわたしもオバサンだからやる(すんません)
「館林っ」は繰り返してて、なんか面白かったあっ話の伏線だったんだ
かなりリアルな描写で重要なシーン。光景が浮かんだヨ
お寺、、、なんか聞いたことがあるゾ・・・・。茂林寺だったかな!
昔話・分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)で有名な寺かしら!境内裏に木もあります!(余談だけど、けやきといえば立川の大衆演劇の劇場です)
文福茶釜と茂林寺 – 曹洞宗茂林寺の公式ホームページ (morinji.com)
そういえば館林のマンホール、たぬきだった気がする。
これ・・・・。帰宅してなんか気になって調べてみて、勝手に深読みしちゃってすげぇゾワなりました。
「(言い方が)気に入らなぁ~い」が面白くて、あるよね、それ!女子あるある~
翼さんファン向けのサービス無茶ぶりあり
毒ある女将を可愛らしく演じる丞弥さんに拍手です女性に対する敬意を感じるワ
女将は、男はみんな女を体目的でしか見ていないと思っていた。女は男に利用されるだけの存在だと思っていたのかも。
小ズルく稼ぐタイプでウソつくやり口は感心しないけど、女郎の売上が上がれば仕送りできるのかもしれない。
(芝居でファンサを増せば会場は喜ぶし、舞踊ショーでお花をつけたくなるかもしれない。は、みんなに優しいやり方)
女将は、同じ境遇に同情しちゃうところもあるし、女郎に小遣いあげて祭りに行かせてあげるし、店先の遣り手バアサンが子供に会うためなら、書き入れ時でも休みはあげてた。
女将は、女性には優しかった。
*****
この後、女将と旅人との話。女将の動機は、男前と飲みたいから、です。分かりやすい
6月の花嫁の話になっていきます
急展開、くるよ~。
女将が微妙に横向いてて、「あれっ・・・もしかして」ってジワジワ変わっていく表情をどの席からでも観たい~。次はもうちょい正面向いて欲しいな~。後ろ姿でもいいけど。
ニオイを消すため指を拭うシーン、よかった
館林にはいないのだから、指を拭うのって無駄な作業なのだけど。
仙太郎の気持ちを壊さないために、美化された自分をそのままにしておきたくて拭ったのもあったのかも。
20年という長い間、誰かに大事に思われていたことに気が付いて、自分の穢れを拭っているのかなぁ~。
苦労が人を変えたのかもしれないけど、誰しも茂林寺で遊んだあの頃には戻れないよネ
ゆっくり拭うところ、次はじっくり見たいな~。
花嫁姿の後ろ姿シーンでは、肩を震わせるなどの動きがある方が好き派。
旅人に注目してほしいから見せ場の邪魔をしないように、あえての無にするポリシーかな。
「お銀片割れ月夜」の泣き所、
仙太郎の想いってだけじゃないと思う!
わたしは、無償の純粋な愛を受けて人生を取り戻すお銀の夜明けを表しているのかなぁと思いました。
文福茶釜のように、仙太郎からの尽きることのなかった愛がお銀を変えるんだよ、きっと。
月夜の後は朝日が昇る。茂林寺へ。