
■ Graffities *La photographie est une image.
夏の日の電車の内といふものは、殊更に風情が無い。恐らくは、夏の休暇を利用して何処そへと出掛くるのであらう親子連れが、又、其れに一層の拍車を掛くる。
勿論、其れは其れで夏の風物詩の一つには違はずして、風情を演為る(ずる)が子供の役目には決して非ず。
抑(そもそも)、己が子供の頃を思ひ起こせば、其れこそいと酷き有様であつたと記憶為る(する)。
悪さの挙句、口喧しく聞か為るゝ小言も何処吹く風。
嘸かし(さぞかし)己が父母に為れば、余程手に余る悪童だつたであらう事は想像為るに容易い。
目の前の座席にて少しの遠慮も無しに燥げる(はしゃげる)坊主頭の男児の其の姿が、己が幼き頃の姿にもぴつたりと重なれば、己も又、大人げ無くも少し許り(すこしばかり)夏を感じむと為る。
只々、此の夏をば感じむと為る。
其れにしても、夏といふ季節には『坊主頭』が好く似合ふ。
