みなさんこんにちは。最近カントチョークからのチョイバーをカンチョーバーと呼ぼうかどうか悩んでいるヘライロックです。
さて最近の出来事と言えばコレ。
宮古市のライブハウス、カウンターアクションで初の柔術練習会!
とても画期的な出来事でして、この件に関してはまた改めて書きたいと思います。
それでまあ気になるのは右端ですね。
キッズがザワついてました。ええ。
そしてありがたいことに多方面から反響をいただきまして、この場をお借りして作り方をご紹介したいと思います。
長いですよ。柔術家ですので。ディテールこだわりますよ。それではどうぞ。
◆はじめに
海外の変わったデザインの柔術着をネット上で探して眺めるのが趣味の僕が、ある日見つけたのが“tie-dye Gi”というものでした。
ためしにtie dye BJJ giで検索してみましょう。
はいクレイジーです。
人とは被りたくないけど、さすがにこれはない(笑)とSNSに載せたところ、「そう言ってて一年後にはこれを着てる姿が目に浮かぶ」とプロ格闘家の前澤智選手に言われました。
あれからちょうど一年、ほんとにやってしまいました。
海外には一定のファンがいるタイダイギ、日本では見かけたことがありません。やったという話も聞いたことがありません。
自分で染める自分だけの柔術着、せっかくだから挑戦してみませんか?
◆染料について
一般的な染色では大きな鍋を使い、高熱で1時間ほど煮なければなりません。その間かきまぜ続けなければならず、それでもムラができてしまうことも。その点タイダイ染めは低温で染める事ができ、時間もかかりません。ムラができてもそれが模様なので問題ありません。
タイダイの染料は調べたところ候補が三つほどあったのですが、僕はPAC Fabric dye(https://www.pacfabricdye.jp/tie-dye)というメーカーの製品を使用しました。amazonでも購入できます。
染色前処理には固着剤、染色後には色止め剤というものが必要になるのですが、他のメーカーはだいたい別売りなのに対し、PACは染料に固着剤と色止め剤がセットになっているのです。値段的にも他メーカーで別売りで揃えた場合と比較して決めました。
◆用意するもの
・PAC(染料5g、固着剤50g、色止め剤15mlで1セット)
・塩1㌔
・ゴム手袋
・ドレッシングボトル、スポイト、注射器など
(染料を溶かしたり、滴下するのに使用)
僕は染料の粉をプラスチックボトルの中で溶かしておき、注射器で取って滴下して染めていきました。100均等でドレッシングボトルを用意すればいちいち吸う手間なくそのまま滴下もできます。
・網(染めたい物を乗せる)
100均で買いましょう。網なしで平面に置いた状態で染めると、上から垂らした染色液が下で混ざり合って綺麗に仕上がりません。
・大きめの容器
Tシャツなどはバケツでいいんですが、ギがすっぽり入るものとなるとそれなりの大きさが必要です。鍋でもタライでもいいです。
・柔術着
白い柔術着にしましょう。Tシャツを染める場合は一度洗濯をしてノリを落としてからの方がいいと言われています。僕は10年前に買ったStorm Strongの白/黒のギを使用しました。
当たり前ですが、タイダイギでは試合には出られません(笑)
僕の場合はもともと試合では着る事ができないイリーガル着ですので躊躇なくやりました。
◆ギを染める前に
高価な柔術着をいきなり染めるのは不安ですよね。作業の流れや染まり具合を確認するためにも予行演習をすることをお勧めします。
僕の場合は、白い子供服を西○屋で買ってきて染めてみました。
容器の上に網をセット、Tシャツを絞り染色します。タイダイは絞って染めるという意味で、絞り方により様々な模様が出ます。染めた後にひろげる時が醍醐味です。
息子
ムスメシ
なかなかうまくいきました。
子供服でやるという一番のメリットは、妻に「タイダイ染めってなんかイイよ」「子供たちと一緒に染めてみたら楽しいかも」「余ったから、俺も道着染めよっかな~」という実に自然な流れでもろもろの材料を揃え、自分だけの柔術着を作れることです。
◆柔術着を染めてみよう
①固着液作成:大きめの容器に40~50℃のお湯9L、塩900g、固着剤150gを入れ混ぜます。固着剤は一色買うと50g付いてきますので、好きな色を3色以上買えば充分足ります。
②固着液に柔術着を浸けます。30分以上たったらギを取り出し、軽く水分を絞ります。
③次に染色台の準備。網を設置します。さっき使った容器がちょうどよかったので、固着液を捨てて空にして網を乗せました。その上に濡れたままのギを置きます。
④染色:今回のやり方では、糸などで縛らずにそのまま染めます。ギは厚みがあるため縛って模様を綺麗に染めるのは難易度が高いと思います。最後に縛りを解いて広げるまで模様が分からない本来のタイダイ染めと違い、常に仕上がりを見ながら好きな所に好きな色を入れられるので簡単です。
染色液は粉1gに対しぬるま湯100mlの割合で必要な分作りながら使用します。ドレッシングボトルなどの口が大きいと液が大量に出てしまいます。一滴ずつ滴下する方が細かく染められます。僕は注射器を使いました。
※実際は網の上で行います
前側が終わったら裏返して背中側からも同じように染めます。前側を染める時はエリを合わせた状態、背中側を染める時はエリを左右に拡げた状態でやる方が色が混ざらなくていいと思います。
⑤網の上に乗せたまま、乾かないように大きめのゴミ袋などを上から被せ、24時間放置します。ゴミ袋に突っ込んで放置というやり方もあるようですが、水切りできる状態の方が色が混ざらなくていいと思います。
⑥24時間経ったらすすぎます。洗った水がだいたい透明になるまで冷水で何度か洗いましょう。
⑦色止め:40~50℃のお湯9Lに色止め剤1.5本を混ぜ、色止め液を作ります。色止め剤は1セットに1本付いてきます。
色止め液にギを入れたら、たまにかきまぜながら30分浸けます。
⑧すすいでから洗濯機で洗います。
⑨乾いたら練習に着て行きます!
◆やってみて感じたことなど
改めて仕上がりを見てみましょう。
・染めている最中と比べ、乾いてからは少し色あせた感じになります。思ったより薄くなるのです。
・右袖に青と赤を使いましたが、特に薄さが目立ちます。染色液を作る際に1gに100mlよりも濃くしてみたり、放置時間を長くしたりして調節するといいと思います。暗めの色は要注意です。
・ターコイズブルー、ピンク、イエローといった明るい色はそれほど色褪せが気になりません。
・白い道着の方とスパーした時に色移りしないか不安でしたが大丈夫でした(笑)洗濯の時には白いタオルも入れて一緒に洗っていますが、色落ち色移りありません。
・今回のギは下が黒だったため上着だけの染色でした。上下ともやる場合、固着液、色止め液ともに9Lで足りない場合は同じ割合で適宜調合しましょう。一度に浸けずに順番に入れてもいいと思いますが。
◆おわりに
本州最東端の町、岩手県宮古市よりお送りいたしましたタイダイ柔術着講座、いかがだったでしょうか?これをきっかけにタイダイギに挑戦する人が一人でもいたら嬉しいです。
自分のギに愛着が湧くこと間違いありませんし、親子で染めてみるのもまた一興。
イベントの時にいきなりこれで登場したら盛り上がるかも。
そんな暇あったらドリルでもしなさいと怒られちゃいそうですが、僕は何事も楽しんだもの勝ちだと思うのです。楽しいは強いとジャカレイとメイヘムも言っていました。柔術はとにかく楽しくないと!
というわけで皆様の柔術ライフの中で少しでも話題になって笑顔になっていただけたらそれだけで幸せです。もし「やったよ!」という方がいらっしゃいましたら画像付きで感想などお送りいただけたら大変ありがたいです。
それでは皆様、楽しい柔術ライフを!
ヘライロックでした。
その他のタイダイ柔術着はこちら!
https://ameblo.jp/385mma/entry-12673479907.html