コートルド美術館展~ゴーギャンの妻が2人~ | Arte, arquitectura y espacio-tiempo conectados a España.

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美術、建築、空間が好きです。それらに触れられる時間が愛しい。そして何故か、私の感性はスペインに繋がる。

コートルドコレクションは良作揃いなのはもちろん、貴重で興味深いものが多いです。

吟味して収集した痕跡が伺えます。

 

コートルド美術館展で目を引いた作品の1つが、ゴーギャンの彫刻です。

 

 Paul Gauguin

≪メットの肖像/Portrait of Mette Gauguin≫
34 cm × 26.5 cm × 18.5 cm   1877
Marble
(C)The Samuel Courtauld Trust, The Courtauld Gallery, London

 

 

モデルはゴーギャンの妻で、デンマーク人のメット。当時29歳。

 

私にとってゴーギャンと言えば、アルルでゴッホと共同生活を始めるものの、

2カ月余りでゴッホのもとを去ると言い出し、耳切り事件が起きる。

その後、妻子を残してタヒチへ移るという…自由気ままで破天荒。悪く言うと身勝手ちゃん。

 

そんなゴーギャンの妻に初めてお目に掛かれました。

社交的で意志が強い女性だったとか。

 

思わず「大変だったね…。」と心の中で話しかけてしまう。

 

今回、ゴーギャンの彫刻作品を目にしたのは初めてで、しかも綺麗に彫れているので驚きました。

ゴーギャンが残している彫刻は2点だけ。

もう1点は、同年に息子をモデルに彫っているそうです。

綺麗な仕上がりから、制作には彫刻家のサポートがあったと言われています。

家族の姿を残したくて作ったのでしょうか。

 

そしてもう1点、ゴーギャンの作品。

 

 Paul Gauguin

≪ネヴァーモア/Nevermore≫
60.5 cm × 116 cm   1897
oii on canvas
(C)The Samuel Courtauld Trust, The Courtauld Gallery, London

 

 

こちらは、ゴーギャンがタヒチで妻にしていたパウラがモデル。妻にした時はまだ14歳でした。

 

この2つの作品(2人の妻)が同じ展示室で観賞できます。

2つが揃っていることで、価値が高まっているように思います。

 

また、本展覧会には展示されていませんが、

コートールドコレクションには、耳切事件直後のゴッホの自画像があります。

(ゴーギャンに関連して紹介します。)

 

 Vincent van Gogh

≪包帯耳の自画像/Self-Portrait with Bandaged Ear≫
60.5 cm × 50 cm   1889
oil on canvas
(C)The Samuel Courtauld Trust, The Courtauld Gallery, London

 

 

この自画像は、ゴッホが自分の耳を傷つけて病院から帰ってすぐに描かれました。
背後に佐藤虎清の錦絵《芸者と富士》が描かれています。

これも貴重な1枚です。