車のエンジンをとめても


       しばらく 音楽を聴いていた  窓からみえるそらのむこう あなたがみえた気がした


       雪の夜  歩くと きゅっきゅと なるくらいに 締め付けるほど 冷え込む夜


       空からは

 

       息が止まるほどの


       雪が 絶え間なく 降り注ぐ


       これが あなただったら いいのにな  なんて 見上げた空には 星がひとつ ふたつ。。。


       さっきまで 一面の雪雲で 星ひとつ 見えなかった


       時はながれる いつも 同じでないんだね 


       あたりまえに おもっていた 人が


       あたりまえでなくなった


       いつでも会えると思っていた人が


       いつでも 会えなくなった夜


       あの街角のパン屋さん


       毎日買いに行ってたけど


       パン屋のおねえさんが 明日からふるさとに 帰ります お世話になりましたと いった。


       いつまでもあるのではないんだね


       あたりまえの 景色


       それは 砂漠の中でみつかった ビーズのような 宝物 だったんだね


       なくしてしまってから


       気づいたよ

 

       もう 二度と会えないってこと


  

       心引き裂かれそう


       いっそ 気が狂ってしまえば楽なのに



       それでも なにごとも なかったかの ように また陽はのぼる


       朝刊は届けられる


       大丈夫


       私は 決して忘れないよ


       あなたのこと


       あなたとすごした 自分のこと


       あなたがつくってくれた おいしい パン

 

       あなたが 見せてくれた 純粋な 表情



       いつも 心にいるから


       絶対忘れないから


       もう あなたの 一部が 私の一部だって それは もう まちがいなく そうなってる


       だから 


       安心して


       あなたは 旅立って


       さようなら


       ありがとう


       愛してくれてありがとう


       愛を教えてくれて ありがとう


       ぼくは 大丈夫だから


       ぼくには 君がいるから


       本当はもう一回笑ってほしかった


       本当は もう一回 だきしめてほしかった


       本当は、、、


       言葉にならない悲しみは 海に さけんで きいてもらうよ


       そして


       なにもなかったように


       また ぼくは 歩き出す


       こんど ちがう世界であなたに 会えたとき


       胸をはって 会える僕でいられるように

 

       それでも かわらぬ 自分でいられるように


       さようなら 


       まだ さようならは いえない


       もう少し  さようならは いわずに いる ぼくを 笑ってください