「映像詩宮沢賢治銀河への旅～慟哭の愛と祈り～」NHK-BS4Kでいよいよ今月放送！！

■NHK-BS4K開局記念番組として制作された「映像詩宮沢賢治銀河への旅～慟哭の愛と祈り～」（前後編各90分）が、今月12月いよいよ放送。番組制作の今野勉さんは10月の講演会で来年Eテレで60分短縮版も放送予定だと言っていたが、どうしてもオリジナル全180分版が観たくて、4Kテレビをローンで衝動買い。今日５日（水）から繰り返し放送中のPR番組（５分版＋【10分版】）の概要をどうぞ…■

■映像詩宮沢賢治銀河への旅～慟哭の愛と祈り～■

■（番組情報）宮沢賢治には、恋い焦がれるように慕った男性がいた。新たな宮沢賢治像を浮き彫りにし、「銀河鉄道の夜」などの作品誕生の背景を明らかにする。本放送を前に５分版で紹介。【…作品誕生の背景に迫る。本放送を前に10分版で紹介する。】■

科学と幻想が織りなす童話

「銀河鉄道の夜」

銀河鉄道はなぜ半人半馬の怪物

ケンタウロスを祭る

星祭りの夜に走るのか。

未完のまま残された原稿に

ケンタウル祭の説明はない。

風と共に村の小学校にやって来た

風の又三郎の髪は、なぜ赤いのか。

この説明もない。

孤高の詩人宮沢賢治が残した謎を追う

「映像詩宮沢賢治銀河への旅」

海の向こうにある楽土ニライカナイに

ちなむ名前を持つ一人の若者。

彼との出会いがすべての始まりであった。

「映像詩宮沢賢治銀河への旅

～慟哭の愛と祈り～」

岩手県花巻生まれの宮沢賢治は

中学時代を盛岡市で過ごした。

盛岡市から遠望される岩手山をはじめ

山歩きの日々だった。

大正４年、同市の盛岡高等農林学校に

優秀な成績で進学した。

向井理「向こうに見える二階建ての

建物が、盛岡高等農林学校の

本館だった建物です。…

そして今、私が立っているこの場所は

＜自啓寮の跡＞と書いてありますが

宮沢賢治が入っていた自啓寮が

あった場所です。…

そして賢治がこの寮に入寮してから

１年後の大正５年

賢治は部屋の室長となって

新入生５人を迎え入れることになります」

室長の賢治と、新寮生５人の写真。

手前に寝そべっているのが

山梨から来た保阪嘉内という生徒である。

賢治と同年齢で、１年遅れの入学だった。

文学好き、そして山登りの好きな

好青年だった。

【嘉内「私はロシアの文豪

トルストイの小説を読み

その生涯を知って

トルストイのような生き方をしたい

と思って盛岡に来ました」】

入寮記念に上演された嘉内の

戯曲「人間のもだえ」。

赤の扮装が嘉内、賢治も黒の扮装で演じた。

賢治＆嘉内「人間はみな百姓だ。

百姓は人間だ。

百姓をしろ。百姓は自然だ！」

大正６年７月、賢治と嘉内は

二人だけで岩手山に登った。

途中、銀河を見上げながら

将来の生きるべき道を語り合った。

そして、共に同じ目標に向かって

進もうと、誓い合った。

▲銀河の下での誓い▲

この夜、二人で誓い合った約束が

賢治にとってその後の生きるべき

道を照らすたいまつとなるはずだった。

大正７年、嘉内は突然、退学処分を

受けて、山梨へ帰った。

嘉内に宛てた賢治の手紙が、

すべて山梨県立文学館に残されている。

【向井「わあ、すごい数ですねえ。

全部で何通あるんですか」

学芸員「こちらが全部で７３通」

向井「どのくらいの期間で７３通？」

学芸員「大正５年から１４年までの

期間の手紙」

向井「十年間くらい」】

▲嘉内に宛てた73通もの手紙▲

【賢治「あの銀河がしらしらと

南から北にかゝり

静かな裾野のうすあかりの中に

消えたたいまつを吹いてゐたこと。

あの柏原の夜の中で

たいまつが消えてしまひ

あなたとかはるがはる一生懸命

そのおきを吹いた」】

【向井「しっかりやりましょう

しっかりやりましょう。

（数えて）２０回も。

しっかりやりましょう

しっかりやりましょう。…

すごいなあ」】

向井「我が友保阪嘉内、我が友保阪嘉内、

我を棄（す）てるな。

我を棄てるな？あまり友だちに言うような

言葉じゃないような」

【一方、妹のとし子は

女子高等学校時代に初恋に破れた

心痛が原因で体調を崩し

療養生活を送っていた。】

【とし子「あめゆじゆとてちてけんじや

あめゆじゆとてちてけんじや」】

【賢治「けふのうちに

とほくへいつてしまふ

わたくしのいもうとよ

みぞれがふつていて

おもてはへんにあかるいのだ」

とし子「あめゆじゆとてちてけんじや」】

▲きしやは銀河系の玲瓏レンズ

巨きな水素のりんごのなかをかけてゐる

詩「青森挽歌」▲

【レンズのような銀河の中を行く

夜行列車のイメージは

妹の死を悼む挽歌の中で

初めて生まれたのだった。】

【詩人として詩を書こうと

初めて決意した賢治は

その題を「春と修羅」と定め

外山高原へ向かった。】

賢治「いかりのにがさまた青さ

四月の気層のひかりの底を

唾（つばき）しはぎしりゆききする

おれはひとりの修羅なのだ」

【向井「おれはひとりの修羅なのだ」】

【賢治「まことのことばはうしなはれ

雲はちぎれてそらをとぶ

ああかがやきの四月の底を

はぎしり燃えてゆききする」】

【向井「草地の黄金をすぎてくるもの

ことなくひとのかたちのもの

けらをまとひおれを見るその農夫

ほんたうにおれが見えるのか」】

【修羅の賢治の前に

突然現れた一人の農夫。

その幻の農夫に会いに

賢治は外山高原に来たのだ。

その農夫とは…。】

【ナビゲーター向井理は

賢治の真冬の陸中海岸の旅の謎を追って

最後の取材に出かける。】

「映像詩宮沢賢治銀河への旅」は、

秘められた慟哭の愛と祈りに

出会う旅である。

■前編90分■12月15日■20日再放送■

■後編90分■12月22日■27日再放送■

■前後編180分■来年１月２日放送■

■短縮版60分■来年Eテレで放送予定（と今野勉さんが講演会で告知＝公式未発表）■

■参考■10月20日付の本ブログ記事■第１１回＜花園農村の碑碑前祭＞（保阪嘉内・宮沢賢治アザリア記念会主催）今野勉さん講演会■

■今野勉さんのプロフィール■1959年TBSに入社以来、名ディレクターとして数多くのドラマやドキュメンタリーの制作に携わる。日本人で初めてテレビドラマ（「土曜と月曜の間」）でイタリア賞を受賞。1970年にTBSの仲間と共に日本初の独立系テレビ番組制作会社テレビマンユニオンを創立し、現在、最高顧問。1989年の長野オリンピックの開会式・閉会式のプロデューサーとしても知られている。著書に「金子みすゞふたたび」（小学館2007年）、「テレビの青春」（NTT出版2009年）、「鴎外の恋人－百二十年後の真実」（日本放送出版協会2010年）等。東京夕張会会長。「宮沢賢治の真実修羅を生きた詩人」（新潮社2017年）は、第15回蓮如賞を受賞。■

■（追加）現在、NHK-BS4Kテレビ開局記念番組として、著書「宮沢賢治の真実」をもとにした3時間の番組を制作中（＝昨日10月19日に編集を完了したと講演で）。12月中旬に、前後編各90分で放映予定（＝4Kテレビでないと見られない）。韮崎市にも、番組ナビゲーターの向井理さんと一緒にと2回にわたりロケに来訪（し、保阪嘉内関連の資料に驚き研究をさらに深めたいといったことを講演で）。来年には、Eテレでも（1時間の短縮版が）放送予定。■

■余談■このNHK-BS4Kの特番は（というか4K情報自体が）あまり注目されていないのか、一部の向井理さんファンの方がツイッター記事で取り上げているくらい。この特番180分全編を見たいがために、4Kテレビを思い切って購入したけど、今日のPR番組を見たらなかなか面白く期待できそうで、楽しみ。■

Osamu_info‏ @34_Liza 12月5日