一、話し手と聞き手
人はそれぞれ異なった性格、環境などにより同じ話を聞いても受け取り方が異なるのは当然のことでありましょう。
お釈迦さんは教えを聞く能力・素質に応じて法を説いたと言われております。これを「対機説法」と言います。(機=心の働き)
人を見て法を説くのには、病に応じて薬を与えることの「応病施薬」と同じようにしなければならないと言うのです。
しかし人はそれぞれの受け取り方によって心の栄養になる人とならない人がおります。
これについては「維摩経」と言う経典に次のようなことが説かれております。
「佛は誰に対しても同じように説法をなさった。ところが、聞いている弟子たちの方で受け取り方が違い、それぞれ自分に都合のいいように聞いている。また、聞き手の才能が深ければ、その教えを通り一遍でなく、奥深いところで受け取ることができる。時としては、話し手が思い及ばなかったところまで聞き取っていることもある。」
これは、友達と話し合っていても意見の合う人もいれば、同じ話でも意見が合わない人が居るようなものです。
自我には人それぞれの個性がありますから、その個性に合うか、合わないかの問題で、その個性が良いとか悪いとかの問題ではありません。
佛教では自我を否定しますが、自我と言う個性こそ、その人だけのもので、天から与えられた宝物であり、その人だけの佛性だと思います。その特性を生かすことこそ道理にかなった生き方ではないでしょうか。
佛教では「自我」を否定し「無我」の教えを説いておりますが、これは、
「あらゆるものは常に変化して止まるものはない。」と言う意味で、
自我も変化しているのであるから止まって存在する自我はないと言う意味で自我を否定しているのです。
心の問題については、『心の世界』『気功療法の応用』にも書いてあります。瞑想の極意も書いてあります。
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内容
戦前=軍国主義教育
戦中=軍隊(旭川―釧路―東京=東京大空襲―長野―終戦)
戦後=昭和21年(神戸=MPと遭遇)-昭和22年(東京=進駐軍の横暴)
戦後海外で活躍した旧軍人など。