2018年の本屋大賞受賞作です。
オオカミ少女に導かれ、鏡の中の孤城に招かれた中学生7人。
願いの鍵と願いの部屋を見つけて、願いを叶えるのは誰か。
ここからネタバレありの感想です! //
初めは、こころの苦しみにリンクしてしまってなかなか読み進められませんでした。
そして、母の苦しみも分かるだけに親子のすれ違いがもどかしくて……。
だけど途中からは物語の展開が気になって止まらなくなってしまい、夕飯のメニューはカレーライスにw
私はそれを食べずに読み進め、習い事の合間を縫って読み進め、ついにそのまま読み終えてしまいました!
私は割と早い段階で7人が会えないロジックに気づいたのですが、マサムネがパラレルワールドと言い出したので(あ、違った恥)と思ったものの、読み進めるほどに散りばめられたヒントに、自分の考えが正しいような気がしてきました。
これはきっと、ちょうどこの年代を駆け抜けたアラフォーだからこそ気づく部分ですよね。
スバルとアキのスレ方がまず髪を染めることだったり、散りばめられた世代のアイテム。
反応がなんとなくイマっぽくないという違和感。
他にも制服で城に来たときのアキの様子。
マサムネ、ウレシノ、フウカの弱さ。
読者に↑これらをそれとなく気づかせる手法がすごいですよね!
そして、東条萌ちゃんの存在。
私は転校を経験しているので、当初からこころの願いに対して危うさを感じていました。
「ああいう子はどこにでもいるし、いなく、ならないから」(413頁16-17行)
そうなんです。
いつの時代も、どこの地域でも、クラスの構造って大体決まってるんです。
だから、例え一人取り除いたところでこころの苦しみがなくなるわけじゃないのでは?と心配していたんですよね。
だから萌ちゃんがこころが今居る場所で頑張れるように背中を押してくれて、母目線でとても嬉しかったです。
とても心に残ったのは、スバルの優しさ。
例え覚えてなくてもマサムネの嘘を本当にするよって…… そんなん泣いちゃうじゃん!
ロクレンっていう名前に違和感があった理由はこれでしたね。
カタカナで発音する「ロクレン」と漢字で発音する「ロクレン」ってイントネーション変わりません?
だから初めカタカナのロクレンに(どういう意味?)って思ったんですよね。
あと、アキとフウカ、アキとこころの間で支えになる言葉が年代を越えて行き交うのも感動しました。
オオカミ少女については、完全にデスゲームのゲームマスターのような超越した存在だと思っていたので、まさか空白の1999年の一人だったとは……
ここも泣けた場面です。
「母を呼んで、石を詰める」という言葉に違和感はありましたが、✕印の意味を考えずに読み進めていました。
リオンの存在についても特に考えていなかったから、ここは素直に驚きましたね。
……って、すごく長い感想になりました。
『かがみの孤城』は、2022年冬に劇場版アニメ化が決まっているそうです。
https://movies.shochiku.co.jp/kagaminokojo/