オダギリジョーがサイコーです。

 さえない事務員サオリのところに、ある日美しい男:春彦が尋ねてくる。
 彼は、ゲイとして生きるため自分と母を捨てた、父の愛人だった。
 父は店をたたんだ後、ゲイのための老人ホームを経営しており、
 自分も癌の末期で余命いくばくもない状態。
 父のホームで週末だけ働くことにしたサオリは、
 父と母の隠された絆に触れ、春彦やホームの人たちの交流を通し、
 父を受け入れられるようになる。
 
 死にゆくヒミコを前に、春彦が「愛なんか意味ねぇじゃん、欲望なんだよ・・・」と
 苦悩するシーンは、考えさせられました。
 死を前にした瞬間、確かに愛は安らぎを与えてくれるかもしれない。
 しかしそれは、生きるというより死を受け入れる手助けかも。
 死を意識しそれでもなお、生きたい・生きてほしいと思うその気持ちは欲望だよね。
 なんかその方が、人間らしいがむしゃらさが直に伝わってくる。

 ゲイの老人ホームという舞台設定は特殊だけど、
 結局「死」「親の過去を受け入れる」ということは誰にでもあることで、リアリティがある。
 他者との違いを受け入れ、自分を受け入れること。
 とても、すばらしい物語だと思った。

 なんといってもオダギリジョーのすべてが美しい!
 たたずまい、表情、発する言葉・・・。
 春彦の弱さ、そしてサオリとの関係に悩み乗り越えようとする勇気、完璧です。
 特に、ダンスホールで山崎さんのためにサオリが必死になるところ、
 それを見つめるジョーに私はキュン死にでした♡
 柴崎コウの美脚にも注目。隠し切れない美人オーラが出まくりです。