今は偉大な素人の時代だと思う。私のブログに良いねを付けてくださる人の中にはエルビス・プレスリーについてその道で食べている人より詳しい、海外のブランドシューズ(実際に購入)と手入れ法などにここまでの知識がと驚かされる人がいる。
コレクション報道について一段落した。しかし残念ながら印象記や感想文ばかりで、総合的に評論しているものは皆無と言える。某大新聞のパリコレクション報道では広告出稿スポンサーについての提灯記事の多いこと多いこと。
巷にあふれる若い人たちのものは目新しい、斬新、新鮮(これらは見たことが無いから当然だが)とすばらしいなどと褒めたたえる。こういう人たちが長ずるとどうなるのだろうと考えてしまう。こういう若者には偉大な素人の詰めの垢を煎じて飲ませたい!
なんでこんな時代になったのだろうと考えると、ファッション誌の衰退と無縁ではない。このことでコレクションを見る目が途絶えてしまった。コレクションについてはそのデザイナーのものを最低10シーズン見てから書く、語ることと教えられた。実物のコレクションを最低5年間見るのは厳しい。
ところが今は過去の画像がホームページで見られるし、コレクション映像もすぐに見られるという恵まれた環境にある。それなのにそれすらしようとしない!これではいくらデザイナーが頑張ってもそれをきちんと評価する人がいないのではファッションは絶望だ。
キチンとものを見るということを教え、ただしく評論する人を育てることも大切だと思っている。
コレクション主催の事務局はそういうこともして欲しい。
写真はいつもいつも新鮮で美しい服のコレクションを見せてくれる研壁宣男さんの「support suraface」から。