第4回ブログ
「なぜ腰や膝に負担がかかるのか?」
— 痛い場所が原因とは限らない —
前回は、「なぜ人は転ぶのか」についてお話ししました。
転倒は突然起こるものではなく、足元のバランスが崩れ、その積み重ねによって起こることが少なくありません。
今回は、その続きとして**「腰や膝の痛み」**について考えてみたいと思います。
「痛い場所=原因」とは限らない
膝が痛いと、
「膝が悪いんですね。」
腰が痛いと、
「腰が悪いんですね。」
と言われることがあります。
もちろん、膝や腰そのものに原因がある場合もあります。
しかし実際には、痛みが出ている場所と、その原因がある場所は異なることも少なくありません。
身体は一つの部位だけで動いているのではなく、全身が連動して支え合っています。
だからこそ、足元の小さな崩れが、膝や腰に大きな負担を与えることがあるのです。
身体は土台の影響を受ける
家を建てるとき、土台が傾けば柱や壁にも負担がかかります。
人の身体も同じです。
身体の土台である足元が不安定になると、そのズレを補うために膝や股関節、骨盤、そして腰が無意識に頑張り続けます。
その結果、
- 膝に負担が集中する
- 骨盤が傾く
- 腰の筋肉が緊張し続ける
- 肩や首まで硬くなる
といった連鎖が起こることがあります。
足元の崩れは全身へ伝わる
歩くたびに身体には体重の何倍もの力が加わります。
その力を最初に受け止めるのが足です。
もし足の骨格バランスが崩れていると、その衝撃や重心のズレは膝、股関節、骨盤、腰へと伝わっていきます。
つまり、
足元のわずかなズレが、身体全体に影響を及ぼす可能性がある
ということです。
支点が安定すると身体は変わる
私が提唱している**「支点機能理論(Pivot Function Theory)」**では、
「身体は筋力よりも先に支点が決まる」
という考え方を大切にしています。
足部の支点が安定すると、
筋力(力点)と地面反力(作用点)が効率よく伝わり、本来の身体の動きが引き出されやすくなります。
その結果、
- 立ち姿勢が安定しやすい
- 身体が左右にぶれにくい
- 無駄な筋肉の緊張が減る
- 膝や腰への負担軽減につながる可能性がある
と考えています。
みんなインソール®︎は、足のアーチを無理に押し上げることを目的としているのではなく、足部の支点を形成しやすい環境を整えることを目指しています。
痛みだけを見るのではなく、身体全体を見る
もちろん、すべての膝痛や腰痛が足元だけで説明できるわけではありません。
ケガや病気など、医療機関での診断や治療が必要な場合もあります。
しかし、原因がはっきりしない慢性的な負担の中には、足元から身体全体のバランスを見直すことで改善のヒントが見つかるケースもあります。
「痛い場所だけを治す」のではなく、
「なぜそこに負担が集中しているのか」
という視点を持つことが大切なのです。
次回は「なぜ筋力だけでは解決しないのか」
「筋力をつければ身体は安定する」
そう考える方は多いかもしれません。
しかし、どれだけ筋肉を鍛えても、身体を支える支点が不安定であれば、本来の力を十分に発揮できないことがあります。
次回は、
「筋力より先に支点が決まる」という支点機能理論について、もう少し詳しくお話ししたいと思います。
身体を支える本当の土台とは何か。
その答えは、足元に隠されているのかもしれません。

