星が大粒の涙になったあの夜

海と空は一つに溶けた

紫紺の闇の

長い夜と浅い目覚めの間

白い呼気を巻き込んで

いっそそのまま連れ去ってくれたら良かったのに

またしても置き去りだ

自分の身体をたぐり寄せて震えた

還れない身体と感情と心臓を

何とか一つにしたくて

両腕に力を込めて



冷えきった爪先だけが

本当に帰らなきゃいけない場所をわかってた



波音は月の子守唄

潮風は僕らのゆりかご