中の君 薫の親切を疑う | ゆうぎりのブログ

ゆうぎりのブログ

万葉集と源氏物語から切り取っていきます。

「はしたなしと思はれたてまつ

らむとしも思はねど、いさや

心地も例のやうにもおぼえず

かき乱りつつ、いとどはかば

かしからぬひが言もや、とつ

つましうて」

など、苦しげに思いたれど、

「いとほし」

など、これかれ聞こえて、中

の障子の口にて体面したまへ

り。

 (源氏物語 早蕨の巻より)

 

「薫」は、「中の君」が京へ引っ越す

のを手厚く補助します。お手伝いさん

たちは、とても感心しています。

「私の悲しい気持ちを聞いて慰めて

ください。いつもみたいに仕切りを

隔てて、つめたく他人のように扱わ

ないでください。」

 

中の君

「つめたいと思われるようなこと

をしているつもりではありませんが

今日は気分がすぐれないうえに、

心が乱れていますので、失礼なこと

を言ってしまうかもしれないので…」

と、心苦しく思っているようですが

「薫さまが可哀想です」

とお手伝いさんたちは口々に言って

います。仕方なく中の君は、ふすま

の入口あたりで体面しました。

 

中の君は、薫をかなり警戒しているよう

です。ただ、お手伝いさんたちが薫を

応援します。

さて、薫はほんとにグチを聞いてもらう

だけですませるのでしょうか。

つづく。