偉人の言葉は、時に人を奮い立たせます。


道に迷ったり、希望を失ったときの道しるべにもなります。


今回は、そんな偉人に関するお話しです。


ある大手学習塾を設立した創業者がいました。


今はもう、70〜80歳くらいになると思います。


その方は、地方の有名高校(西の御三家の一つ)の出身です。


お父さんは教師をしていましたが、家は貧しく、1年に1回は高校から、授業料未納の通知が来ていたそうです。


その方(以下「Tさん」と言います。)は、現役で大学に進学することができず、浪人することになりました。


Tさんは、家が貧しいことを知っていたので、いったんは宅浪を決意しました。


宅浪とは、予備校に通わず、独学で来年の大学受験にのぞむことです。


ところが、それを聞いたTさんのお父さんは、「お前は宅浪ができるはずがないから、ちゃんと予備校に行け。」と言って、大手の予備校に通わせてくれました。


Tさんは、今でも、父親が予備校のお金をどうやって工面したのか分からないそうです。


Tさんは、父親の期待に見事応えて、一浪して東大に進学しました。


その後、Tさんは大学を何年か留年しましたが無事卒業し、大手の証券会社に就職しました。


でも、その会社は数年で辞めてしまいました。


きっかけは、証券会社のお客さんに、5千万を出してやるから新しい事業を始めてみろと持ちかけられたことです。


もともと教育に関心のあったTさんは、そのお金を元手にして、今の大手学習塾の礎となる塾を設立したそうです。


塾を経営していく中で何度もピンチはあったそうですが、裾野(すその)を広げて、地方に塾を開設するなど柔軟な発想でピンチを切り抜けました。


今では、知らない人はいないほどの有名な塾になっています(もちろん、最初の5千万は返したそうです。)。


お金を出す方も出す方ですが、そのお金を元手に成功してしまうTさんも凄い方ですよね。


まさに昭和の良き時代の偉人たちという感じがします。


Tさん曰く「俺の世代で今でも残っているのは、大学を浪人した連中でばかり。現役で大学に進学した奴らは挫折を知らないからダメだ。」とのこと。。。


我が家の長男は、この言葉に励まされたようですが、もちろん、極論でしょう(笑)


ただ、人生というのは、うまく帳尻が合っていて、例え有名大学に現役で進んでも、その後、足踏みをすることが少なくないような気がします。。。