先日、ある報道番組を見ていたら、

障害児を持つ家庭の特集をしていました。


その特集を見て、とても大切なことを思い出した気がしたので、備忘のために書きます。


その子は、10歳の男の子です。


極度の低体重で生まれ、言葉を話すことができません。


手は少し動かすことができるのですが、体のほとんどは自由に動かすことができず、移動は車イスです。


でも、小学校は普通学級に通っています。


お父さんは、その子のためにいろんな発明をしていました。


ボタンを押すと「ありがとう」という声が出る装置、ボタンを押すとグー、チョキ、パーが出て、じゃんけんができる装置など、その発明は、子どもの目線に立ったユニークで愛情溢れるものばかりでした。


そのお父さんは、インタビューで、


「障害児を持って、まず、最初にやめたのは、人と比べることです。」


と言いました。


私は、その言葉にもの凄い重みを感じるとともに、深い感動を覚えました。


きっとこれまで、数え切れないくらいの悲しみや葛藤があって、これらを乗り越えて来た方だからこそ、その言葉に重みや感動を覚えたのだと思います。


人と比べるのをやめる。


分かっているはずなのに、ついつい忘れがちになる、とても大切な言葉です。。。


私が最初に、この言葉を意識したのは高校三年生のときでした。


きっかけは、クラスメイトが


「人は人、我は我、されど仲良し」


と言っているのを耳にしたことでした。


仮にIくんとします。


最初に聞いたときは、Iくんのオリジナルだと思ったのですが、たまたま、その言葉を聞いた国語の先生が


「武者小路実篤ですか。」


と言いました。


すると、Iくんは、「言わないでよ。先生。」と言って、出典をバラされたことを恥ずかしそうにしていました。


私も、その言葉は、とても良い言葉だと思っていたので、Iくんのオリジナルじゃないなら良いかと思い、たびたび使わせてもらいました。


座右の銘を書く機会があれば、必ず、この武者小路実篤の言葉を書いていました。


今でも、座右の銘を聞かれたら、この言葉を言うと思います。


社会的な地位、子どもの中学受験、大学受験などなど、ついつい、他と比べてしまうこともあるけれど、もっと大切なことは他にある。。。


そんな大事なことを思い出させてくれた番組の特集でした。。。