Aくんは、巣鴨高校には進学せず、別の高校を受験すると言いました。


もちろん、成績が悪くて内部進学ができなかったわけではありません。


巣鴨高校よりも、上の高校を受験すると言うのです。


私は、さすがにAくんは、違うなと感心しました。


Aくんは、埼玉県の高校受験案内の雑誌を持ってきました。


そして、あるページを開くと、「進路相談したら、この高校なら合格できると言われたんだ。」と言いました。


それは、大宮高校でした。


確かに埼玉県内の公立高校では相当偏差値の高い学校で、当時は、浦和高校に次いで2番目だったはずです。


でも、実は、私も大宮高校の受験を考えていました。


当時は、まだ少し偏差値が足りていませんでしたが、頑張れば、十分手が届く位置にいました。


このとき私は、中学受験のときには雲の上の存在だったAくんと同じレベルに近づいていることを感しました。


中学受験で失敗しても、コツコツ頑張っていれば、いくらでも追いつけるんだと思いました。


結局、私もAくんも大宮高校には、進学せず、Aくんは、慶応大学の付属高校から慶応大学に進学しました。


私は、進学した埼玉県内の公立高校でもコツコツ勉強を続けて、指定校推薦で、偏差値的には慶応と同じレベルの大学に進学しました。


私は、やっとAくんに追いついたと思いました。。。


大学に進学した後、私は、Aくんに、君のお陰で勉強に目覚めて、大学にも進学できたと、お礼を言いました。


それは、これまでずっと言えなかった言葉でした。


でも、Aくんは、そっけなく、「僕に感謝しろ。」と言っただけでした(苦笑)。