早速、物置で見つけたサイエンス3を持っていくと、Sは
「さすが、ドクター。助かったよ。」
と言って喜んでくれました。
ただ、3年前とサイエンス1のデザインが変わっていたので、私は、Sに
「喜ぶのはまだ早い。サイエンス1を見比べてみろ。ほら、微妙にデザインが違うだろ。もしかしたら、サイエンス3の内容も微妙に変わってるかもしれないぞ。」
と言いました。
すると、Sは、私が見つけたサイエンス3をパラパラとめくりながら
「たぶん大丈夫だと思うけど、一応、友達に見せてもらって、同じかどうか確認する。」
と言っていました。
まあ、とりあえず、期末試験前に見つかって良かったです。
私は、ホッとしながら、Sの机の引き出しの中を整理しました。
すると、山積みにされた教科書やブリントの一番下から出てきたのが、なんと、Sがずっと「ないない」と言っていた、サイエンス3でした。。。
私とSの前に、サイエンス3が2冊。。。
私が烈火の如く怒ったのは言うまでもありません。。。
ところが、Sは、ニヤけながら
「まあ、まあ、ドクター。人間誰しも過ちはある。」
などと言っていました。
Sは、この1年で身長は10センチ以上も伸びたのに、中身は、小6の頃と大して変わっていません。。。
本当に世話が焼ける。。。
Sが、小学校を卒業したあのとき、私の手を離れたと感じたのは、何だったのでしょうか(苦笑)。。。