我が家の次男Sは、私のことをニックネームで呼びます。
そのニックネームを仮に、「ドクター」とします。
昨夜のことです。
私が、Sの部屋でだべっていると机に座っていたSが、化学の授業がめちゃくちゃ難しいと言い出しました。
化学反応式だの、何だの難解な化学の話が出てきましたが、そんなの私にとっては遠い昔の話で、教えることなどできません。。。
とりあえず、私は、Sに「お前は国語が得意なんだから、とにかく、化学の教科書をしっかり読め。そうすれば分かるはずだ。」などと適当なことしか言えませんでした。。。
すると、この言葉で思い出したのか、Sが、おもむろに
「ドクター、大事な話がある。」
と言い出しました。
以下、Sとの会話です。
「どうした?なんかあったか?」
「僕の化学の教科書しらないか?」
もちろん、私が知るはずがありません。。。
ただ、中学入学前にSの塾のテキストを大量に捨てたので、もしかしたら、その中に紛れて捨ててしまったかもという不安は頭をよぎりました。。。
「は?何の教科書だよ。中学受験で使ったやつ?」
「違うよ。サイエンス3っていう、化学の教科書だよ。サイエンス1、2はあるのに、3だけ見当たらない。」
‥‥‥良かった、私が間違えて捨てたわけではなさそうです。。。
「じゃー知らない。俺は捨ててないよ。」
「僕も、絶対捨ててない。」
「じゃー、この部屋のどこかにあるんじゃないの。」
「何度も探したけどない。入学してから一度も見たことがない。ドクター、入学式のときにもらいわすれたんじゃないのか?」
‥‥‥私には、そんな記憶はありません。。。確かに入学前に、私が必要なものを買い揃えたり、学校から教科書が送られたりしましたが、全部Sに渡したはずです。。。
「それより、S。サイエンス3がなくて、今までの授業はどうしてたんだ?」
「授業ではあまり使わなかったから大丈夫。。。」
‥‥‥このSの言葉もあてになりません。
「ないと困るんだろ。」
「‥‥うん。期末試験前には見つけておきたい。」
「じゃーダメじゃん。早く何とかしないと。」
こうして、私は、Sのためにサイエンス3を見つけ出すことにしたのです。