おはようございます😊
早くも雪❄️が降り出しました
こんな日はお籠りして愛犬とぬくぬく過ごします
それではつづきをどうぞ
つづき㊷
最後のポイントから三十分くらい進んだところでまた道が二手に分かれる。
けれど、その先に見える景色は明らかに今まで来た道とは様子が異なっている。
どちらを選んでもそこは登山道と言うよりむしろ獣道と言う感じだ。
嫌な予感がする。
あなたも流石に困惑した様子で必死に位置情報を確認しようと空に向けスマホを高くかざす。
哀しいことに電波はやはり届かない。
途方にくれる二人。
無理なことを承知の上であなたは場所を移動してはスマホを高く掲げる。
その姿を倒木の上に腰かけ放心したわたしが見つめる。
辺りは少しずつ夜の気配を纏い始めている。
足に痛みのあるわたしは間違った道を進む訳には行かない。
「さっきの場所まで戻って誰かに聞いてみる?」
恐る恐る尋ねると、
「さっきの場所?さっきの場所って簡単に言うけど結構戻るよ。
それに何でもかんでも人に頼ってばかりじゃなくて少しは自分達の力で何とかしなくちゃいけないでしょう。」
あなただって本当は困っていたのだと思う。
ただ、わたしの意見に従ったことで二度も嫌な思いをした記憶があるだけに直ぐには「そうだね」とは言えなかったのだろう。
気まずい沈黙の中でわたしは考える。
もし、このまま道に迷い続け家に帰れなくなれば、家族は心配するだろう。
わたしのついて来た嘘は全てばれ、大変なことになり、もう二度とあなたと逢えなくなるだろう。
でも、いっそこのままあなたとずっと道に迷い続け、辿り着いた先の街で二人、全てを棄て生きて行くとしたら。
二人のことなど何も知らない人達の中で力を合わせ愛だけを信じ生きて行けたら。
頭に浮かんだ余りにも非現実的な考えに呆れながら、気持ちを固めたわたしは、
「戻ろう。」
そう言って、元来た道へ歩き出す。
少しスピードを上げ、足首の痛みに気付かぬ振りをしながら。
それを見たあなたは無言でわたしを追い越して行く。
一度通った道なので来た時よりも短い時間で元の場所に辿り着くことが出来た。
あなたは直ぐさま道案内の地図をそれこそ穴が開くほど見つめ右へ向かう道を選んだ。
結局のところ、あなたとわたしは地図を読み間違えていた。
二手に分かれていると思ったその先に見逃していたもう一つの道があったのだ。
それは車道で道幅も広い。その事がかなり下まで来ていることを教えてくれる。
安堵する二人。
ただ、経験から車道は遠回りになると知っているあなたは一旦、道を外れ迂回ルートをとる。
そこは一面が落ち葉に覆われた道で足元が滑りやすい上にその下の地面がどうなっているのか分からない。
最悪、落とし穴になっていると言うこともあり得る訳だ。
二人は一歩一歩慎重に足を進めて行く。