今日はこれでおしまい
つづきをどうぞ
つづき㉞
お店に戻ると、あなたは入り口近くの席に移動し独りコーヒーを飲んで待っている。
背後からおずおずと近づくわたしに気付いたあなたは、ホッとした笑顔をわたしに向けてくれる。
怒ったり、呆れたりなど一切せずに。
あなたの優しさ、そして愛を感じる。
大丈夫。わたしは大丈夫。あなたがいれば何があっても大丈夫だと強く心に想う。
結局、一時間以上、化粧室に籠ってしまったわたしはそのままあなたと家路に就く。
乗り換えを終え家まで残り一本の駅に着く頃には、体調も良くなって来た。
「もう、ここまでで大丈夫だよ、ありがとう。」
と言うわたしに、
「心配だから最後まで送って行くよ。」
その言葉だけで力が湧いて来るわたし。
「本当に大丈夫だから。」
「分かった。じゃあ家に着くまでずっと連絡入れてね。心配だから。」
電車を待つ列の中、あなたはわたしを抱き寄せキスをする。
その後で、唇を尖らせわたしからのキスをねだる。
わたしは人目も憚らずあなたの唇に自分の唇を重ねる。
電車がホームに入って来る。
人波に押され二人は離される。
電車の中へ押し流されるわたし。
閉じられた扉の向こうにあなた。
小さくなって行くあなたの姿。
言葉通りあなたは直ぐに連絡をくれる。
最寄り駅までの四十五分間、わたしはあなたを傍に感じながら無事に過ごすことが出来る。
抱き合うことは出来なかったけれど、あなたの優しさと愛を強く感じた幸せな夜だった。