一雄は瞬きも忘れる程村田投手に釘付けだった。
脚の上げ方、重心のかけ方、肩の入れ方、開くタイミング、一雄が見たままを余す所なく夢中で書いている。
「一雄、なぁ~か・ず・お!」
茂が呼んだが反応なし。
「一雄!!!」
茂が隣の席の客がびっくりする位の声で叫ぶと
「なんだよ!うるさいなぁ!」
ようやく返事をした。
「あのさぁ、喉渇いたからコーラ飲まない?」
「今忙しいからいらない」
一雄の素っ気ない返事に茂は若干カチンときたが、
「わかったよ!」
と言って一人でコーラを買いに席を離れた。
試合は1対1のまま8回まで進んでいた。
8回の裏のロッテの攻撃もツーアウト。打席には有藤選手。
「ここでホームラン打たないかなぁ…」
一雄が呟くと
「打ちそうな気がする…」
茂が小さいながらも自信ありげに言った。
「なんで?」
と一雄が問い掛けた瞬間、
「カン!」
と、乾いた鋭い音がした。
「ほんとだぁ」
一雄はぽかんと口を開けながら打球の行方を追った。
左中間スタンドでボールが大きく跳ねた。
「すげぇ、茂よくわかったね。」
一雄は今のはあてずっぽでない事がわかっていた。
「配球だよ。1、2打席同じような配球で打ち取ってたから、3打席目も同じだったんだ。変えるかなと思ったけど、1球目が同じだったから有藤選手もわかっていたんだよ」
茂はいつの間にか捕手の立場からこのゲームを楽しんでいた。
「この子達は全くあきれるな」
茂の父は口には出さないものの、感心していた。
二人が一緒にこのまま成長する事を願いながら。
結局ゲームは2対1でロッテが勝利。
二人はきげんよく有藤選手の元へと向かった。
脚の上げ方、重心のかけ方、肩の入れ方、開くタイミング、一雄が見たままを余す所なく夢中で書いている。
「一雄、なぁ~か・ず・お!」
茂が呼んだが反応なし。
「一雄!!!」
茂が隣の席の客がびっくりする位の声で叫ぶと
「なんだよ!うるさいなぁ!」
ようやく返事をした。
「あのさぁ、喉渇いたからコーラ飲まない?」
「今忙しいからいらない」
一雄の素っ気ない返事に茂は若干カチンときたが、
「わかったよ!」
と言って一人でコーラを買いに席を離れた。
試合は1対1のまま8回まで進んでいた。
8回の裏のロッテの攻撃もツーアウト。打席には有藤選手。
「ここでホームラン打たないかなぁ…」
一雄が呟くと
「打ちそうな気がする…」
茂が小さいながらも自信ありげに言った。
「なんで?」
と一雄が問い掛けた瞬間、
「カン!」
と、乾いた鋭い音がした。
「ほんとだぁ」
一雄はぽかんと口を開けながら打球の行方を追った。
左中間スタンドでボールが大きく跳ねた。
「すげぇ、茂よくわかったね。」
一雄は今のはあてずっぽでない事がわかっていた。
「配球だよ。1、2打席同じような配球で打ち取ってたから、3打席目も同じだったんだ。変えるかなと思ったけど、1球目が同じだったから有藤選手もわかっていたんだよ」
茂はいつの間にか捕手の立場からこのゲームを楽しんでいた。
「この子達は全くあきれるな」
茂の父は口には出さないものの、感心していた。
二人が一緒にこのまま成長する事を願いながら。
結局ゲームは2対1でロッテが勝利。
二人はきげんよく有藤選手の元へと向かった。