今年最後の読書記録になります。☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
夫が商店街の福引で当てた小さな編みぐるみ。今年最後の新入りです。
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「天使はここに」 朝比奈 あすか
近藤史恵の「天使はモップを持って」とか、柚木麻子のアッコちゃんシリーズみたいに
「お仕事を頑張って周りを幸せにする女性」系統の小説かと思ったら、ちょっと違う。
ファミレスのウエイトレスをしている主人公が、頑張りすぎるのと、世事に疎いの
とがどうも気になる。それが彼女の生まれ育ちと関係している事が分かってくる。毒親を持つ友人の話や、認知症になってしまった常連客の話なども織り込んで、なかなかシリアス。
でもどこかに光明が見える終わり方で、読後感は悪くない。
「大切なこと、ちょっと言わせてね」 中村メイコ
80歳をとうに過ぎてもピンシャンしているメイコさんが、孫の世代の女性たちに与える助言。言葉遣い、身だしなみ、お金の使い方、マナー、日々の暮らし方、人生に対する考え方など、分かり易くストレートに書いている。もっと語ってほしいのは、やはり戦時中の体験談である。団塊の世代では経験していないことをもっと伺ってみたい。
「あるじは家康」 岩井 三四二
家来の目から見たあるじ徳川家康を描いたという態で、七編収められている。家康がまだ
竹千代時代に仕えた石川数正の目に写るあるじの像は、子供のくせに不気味さが感じられ、
将来数正が家康を裏切る伏線となっているように思う。茶屋四郎次郎が家康一行を京都から逃がす場面や、ウィリアム・アダムズ(三浦按針)から見た家康には、権力者としてではない
素の家康の人間味が垣間見える。また、幕府の権威をゆるぎないものとするため追い落とされた家来の、武士としての矜持なども描かれ興味深く読んだ。
「異形のものたち」 小池 真理子
小池真理子の小説は、説明が丁寧なのにくどい感じがしなくて、すぐにその世界に入り込めるので私は好きな作家である。恋愛ものもいいが幽霊のお話もなかなか読ませる。幽霊を見た話や、自分が死んで幽霊になっていることに気付かない話や、とっくに廃業した歯科医院の、亡くなった歯科医から治療を受けた話とか、気味の悪い話ばかりが全部で6編。
映画「アザーズ」を思わせる生者と死者が重なる世界を堪能できる。
「アナログ」 ビートたけし
ビートたけしの著書は多数あるらしいが、この人の小説を読むのは私はこれが初めてである。主人公の男性には親友が二人いて、三人で飲んでいる場面の会話はまさに漫才。
えげつない話題ばかりだが、つい笑ってしまう。そしてこの小説のテーマは純愛である。
男には助平な部分と、信じられないほどロマンチックな部分が共存しているらしい。
「スリーパー 浸透工作員」 竹内 明
ややこしくてよく分からなかった。大体の筋は掴めたが、人間関係図でも描いてみないと
何がどうなってこうなるのか、私の頭ではよく理解できない。
それより、北朝鮮の工作員が日本人になりすまして色々探っていたり、新幹線に爆弾を
仕掛けようとしたり、そっちの方がそら恐ろしい。安全すぎて隙だらけで無防備な我が日本が
心配になってくる。
「忖度バカ」 鎌田 實
今年の流行語「忖度」にからめて、2017年に起きたさまざまな事件、報道、政治の在り方を斬る。著者は医者だがベストセラー作家で、マスコミの露出度も高く、地元の名士だけに、良く
言う人ばかりではない。私はやや偏見を持って眺めていた。なので著書もひとつも読んで
いない。だがこの本を読んで、知識経験ともに豊富だし、社会貢献も様々にされているのを
知り、ちょっと考えが変わった。本の内容は、今年を振り返る意味でも今後の日本を考える上でも一読に値するものであった。政治家、官僚、週刊誌の記者にも一読いただきたいものだ。
「戦争と平和」 百田 尚樹
私は著者に対し何の予備知識もないまま、デビュー作「永遠の0」を読んで、涙した。
そして心底戦争は嫌だと思った。ところが、これが戦争礼賛の小説だという批判があると知り、びっくり。どこが? 左翼には右翼といわれ右翼からは左翼と言われ、A新聞社からバッシングを受けたり、宮崎駿に批判されたりした事を知った。
原作を読みもしないのにネットの批判などを鵜呑みにして毛嫌いする人たちにも驚いた。
徹底した取材で、大東亜戦争(太平洋戦争)の内幕を暴いたものだから、読んで不快に思
ったり、都合の悪い人もいたのかもしれない。都合の悪いことを声高に言う人は叩かれる
ということだろう。
この本では、日本という国がいかに戦争に向いていないかを説く。例えば最悪に備える事を
せず、最悪は起こらない、と目をつぶる国民性。例えば融通の利かない縦割り行政。糞真面目。例えば成績優秀なだけで世の中を何も知らない官僚が上に立ち、経験豊富な現場の
人間の意見を聞かず使い捨て、失敗があっても責任を取らないし問われもしないこと、
などなど。
今の国際情勢の中で、最悪の事態に備えるには何が必要なのか、よくよく考えてみなければ
ならない。それに目をつぶるなら、日本は先進国でも何でもない、ただの愚かな国であろう。



