廉価盤のCDは今でこそオリジナル•ジャケットで発売されることが多数見受けられるようになりましたが、′90年代半ば個人が音楽に興味を持ち始めた砌、なんとかエディションなどと称してその企画用のジャケットデザインが用いられていてなんだかなと感じる分がありました。


バーンスタインさん、ニューヨーク•フィルの一連の分は最もで何故裏にあの御上が写りしか、興が醒めるものかは!! たれが買おうものぞ、と嫌な気持ちを抱きました。それも、ダイアナさんとのことがあって憎悪の対象でしかなった御上(個人は今でもそれほど良い印象はございません)がなぜと腹立たしく思ったことが懐かしいです。

(そのエディションの表の水彩画が御上の筆による作品だからということを後年知りました)。



裏を返せば女性の敵までは申しませんがこの良い印象がないお方が写っているCDを少なくとも個人は欲しいとは思えませんでした。







左様、カラヤンのCDはエリエッテ夫人の絵画がジャケットとして使用された話は有名です。





さて、本題に戻ります。

そのバーンスタインさんの輝かしい′60年代の演奏はもっともっと脚光を浴びて良いと思われてなりませんが、特にそのように感じられたのはリムスキー=コルサコフの《シェヘラザード》をYouTubeで聞いたからです。



今はオリジナルデザインのジャケットで購入出来ますから良いですね。

なんという濃厚な音楽、芝居っ気が嫌味にならない程圧倒されっぱなしでこれは本当にもっと早くに聞いておくべき演奏だったと思えるほどの素晴らしい出来栄えでした。


キラキラした油絵のような場面とサラッと水彩画のように淡くて美しい場面があり、実に色彩豊かで久方振りにバーンスタインさん、ニューヨーク•フィルの演奏を堪能しました。

あざといという方があるかもしれませんが、なんのそのあざとさが表現上必要でそれは聞く人の耳に達するや興奮する瞬間が多分にあるのです。

本当にしびれました。聞けて良かったとありがたく思われてなりませんでした。

場合によってはただ録音があったか否かという単なる記憶に留めておくだけの事柄だったかもしれない演奏に触れられてただただありがたいです。


今日、無数にこの《シェヘラザード》は銘盤数多ございます。

代名詞になったといって良いストコフスキーさん、近年では忘れ難いゲルギエフさん、若き日の小澤さん、大熱演のコンドラシンさん、端正ながら凄い力を感じるライナーさん、色彩豊かで明るいオーマンディさん、後はスヴェトラーノフさんなどなど無数にある中でバーンスタインさんの演奏も忘れられないほどの際立った魅力があります。