最近は、バーンスタインさんの最後の演奏会のベートーヴェンの7番をよく聞いています。





こちらは初めて拝見しましたが全曲分の映像があるのでしょうか。

確かに元気はありませんしお顔の色も優れませんが、それでも十分に動けているので約2か月後にお亡くなりになるような雰囲気はないようにお見受けしますが、当日は相当に体調が芳しくなくて3楽章の途中では咳が聞こえるという指摘もあり腕が上がっていなかったという話もあるようです。




演奏そのものは肯定的ではない評価が多いのは事実ですが、この時のボストンシンフォニーの響の豊かさ、温もり、音色が好きですし、アンサンブルの危うさも指摘されますがそれは気になりません(以前は気になっていました)し、テンポの遅さはバーンスタインさんの体調に比例して遅いですが、聞いていて落ち着きます。


緩い、だるだるの演奏とは決して思いませんし心に訴えてくる必死さがあり夢中にさせる魅力を感じます。



話は変わりますがなかにし礼先生はベルリンの壁崩壊後の第9番に惹かれると確か写真集の巻頭言だったかで読んだ記憶がございますが、こちらもアンサンブルやテンポの遅さを指摘されながもそれでも惹かれる、感動する旨を記されてありました。









こちらの第9番は初めて聞いた時あまりに重くて以来1、2回しかまともに聞いたことがなく存在自体を知っている状態ですが今日を機会に受容します。



さて、ボストンシンフォニーとのファイナルコンサートの7番ですが音楽が止まりそうで危ういという感じはさほど感じず(ボストンシンフォニーの合奏能力の高さとバーンスタインさんとの長年の良好な関係がこの特別な演奏会が素晴らしさを際立たせているのではないでしょうか)、むしろ力強さがあり聞いている当方は逆に気力もらっているように感じます。


もう、これで終わりなのかという気持ち、暗くやるせない雰囲気は皆無、テンポこそ遅いものの力が多分に漲っているように個人の耳には響きます。

まだまだこれからという活力があり、バーンスタインさんはそれから間もなくお亡くなりになりましたが我々は何度も何度もこのファイナルコンサートを聞いて偲ぶことができます。

「最後」ではなく「永遠」なったいうことでしょうか……


マエストロがお亡くなりになって随分経ちますが、今なおお世話になることしきりで感謝しております。