フィリップ•ジョルダンさんがウィーン国立歌劇場の音楽監督を′25年に退任されるとのことですが、昔からドレスデン•シュターツカペレ、ニューヨーク•フィルハーモニック(こちらは昔から指揮者の墓場だと揶揄されています)、国立パリ管弦楽団(パリは徳岡直樹先生がYouTubeでおっしゃっていました)と同様「ご難場」というイメージがますます強くなりました。


芸術的な立場、運営上の立場との齟齬がある、溝が深い、互いに無関心で自分たちの意向を曲げない、それを必ず通すという頑固さ、プライドの高さー実際運営に携わっている人たちはエリートでしょうから……が色々考えられてまぁ、難しかろうと。


ウィーン国立歌劇場といえば意外と小澤征爾さんがうまくやっていた(音楽的な実りはともかくも……)のではないかと思います。

運営側と現場側のバランスを人柄の良さと相俟って音楽的な実績よりも……人間性で監督業を成せたと感じます。






上はWikipediaにある歴代の総監督と音楽監督の表ですが、難場だけあって長く務めるのはできない、カラヤンでさえウィーンとツーカーの仲であっても10年いっていない、ベームも意外と短いです。

しかし、カラヤンの時代のウィーン国立歌劇場は輝かしく素晴らしい音楽的な遺産が今もって語り草になっているほどの名演が多数あり期間の短さなど問題にはならないほどです。


R•シュトラウスの《エレクトラ》は正規録音こそありませんがあまりの凄絶な演奏だったとのことで2日目で演奏が打ち止めになったと本で読んだことがあります。



これら、R•シュトラウスは実り豊かな素晴らしい演奏だと思います。




歌劇場は音楽上の問題以上に複雑ななにかがたくさんあるようで考えただけでも胃を悪くしそうになります。


また、気難しくて人を寄せ付けなかったといわれたかのマーラーが10年も務めていたのは意外です。指揮者としての才能は当時随一で素晴らしかったといわれていますし、周りに有無をいわせないほどだったから10年も在籍できたことが想像されます。


ワルターさん、フランツ•シャルクとウィーンになくてはならない存在の指揮者も長く在籍していますね。

済みません、シャルクについては詳しくありませんがワルターさんは穏やかなお人柄がつとに有名(クレンペラーさんが『ワルターはモラリスト』と皮肉っているくらいです)ですからある程度長く務めるのはできそうだとイメージできます。



では、話を現在に戻してジョルダンさんの後任はティーレマンさんがドレスデンが離任することが決定していますから次に……と考えられますが、果たして運営上でなんの衝突もなくやれるのかザルツブルク音楽祭でも擦ったもんだがあってウィーンが向かい入れるのかという疑問があります……。ティーレマンさんは間違いなく難しい指揮者であることは間違いありません。


ウェルザー=メストさんの再任は無難で十分あり得る話ですし、若手のネルソンスさんを推す声も一方でありそうで……。


外野がとやかく騒いでも仕方がないですね。