ストコフスキーさんの歌、否、語り口が巧みで雄弁、気宇壮大なことよ、と今朝方偶々YouTubeで目についてストコフスキーさんの「シェヘラザード」を聞きました。




60年代ロンドン響との録音ですが、個人は無数にこのマエストロの十八番たる「シェヘラザード」をあれやこれや聞いてはおらず、特別な贔屓もありませんが、改めて今朝聞いてなんという濃ゆさかしらん、と唖然としました。


一部の方は所謂ゲテモノ扱い、いじりまくって聞くに耐えないと仰るかもしれませんなんだが、とんでもない、音楽を知り尽くした大家ゆえの成せる音楽があり、興味津々たる演奏だと個人は思われます。



さて、ストコフスキーさん指揮、ロンドン響の「シェヘラザード」。

テンポは遅めながらも気になることはなく、各楽章での楽器の語り口が印象に残って、これは愉しいとさえ感じられたほどでした。


冒頭の僅かしてから始まるヴァイオリンのソロとハープ。ヴァイオリンの甘く美しい音と逆にハープはバチン!! とかましてくる辺りはストコフスキーさんならでは、ハープをフォルテで響かせるだなんてと信じられないほどですし、それからの主題、ねっとりこってりとしていておお! と感心しきり。


第2楽章はさらに甘く、ファゴットが実に良い表現、楽譜に書かれた表現以上に強く訴えてくるようで聞いて良かった(CDは持っていますが、なかなか自ら進んで聞きたいと思わない曲、演奏で……)と思われたほどの名演奏だと感じました。

マニアックな方でしたら、このファゴットを担当した楽士をご存知かもしれませんね。素晴らしい演奏でした。堪能しました。


3楽章もストコフスキーさんの魔法にかけられたようで夢見心地の音楽の世界に酔いしれました。

フルート、クラリネットのゆったりとしたテンポの中で表情をつけるさまはいかがでしょう。本当に上手だと思いました。


荒れ狂うフィナーレ。シンバルがリズムを刻んでからフルートが主題を告げますがそれからは興奮しきり。個人は好き好んで「シェヘラザード」は聞きませんが、このフィナーレの嵐は大好きです。

トランペットのリズムを刻む旋律は面白いですね。

ゲルギエフさんも大変暴れる、素晴らしい演奏を残されていますが、ストコフスキーさんの音楽上の「あざとさ」を個人は感じて興奮しました。


滅多に聞かない「シェヘラザード」。

今日一日脳内で心中でその美しい旋律が浮かんでは消え、浮かんでは消えて……すっかり魅せられてしまいました。


最後に添付のした音質は、Bluetoothイヤホンで聞きましたが音割れが幾分かありました。

個人の安いイヤホンゆえだと思います。

音質云々以上に素晴らしい演奏に感動しました。