ブルックナーの音楽の受容……大袈裟です。楽譜も読めないですし、ましてご本を読んできちんとしっかり勉強しているわけでもありませんし、昔のように毎日毎日聞いていませんし、大袈裟なことは書けませんが、先ほど交響曲第3番「ワーグナー」を久方振りに聞きました。


以前も3番について書いたと記憶します。

重複したことを書いていますので無視されても構いません。





3番といえば、このシルエットが想起されます。


ブルックナーはバイロイトに訪れワーグナーに2番、3番どちらかを献呈したいと申し出て、ワーグナーは3番を所望しました。



加えて、7番の作曲中に夢の中でワーグナーがアドバイスをして「君はこれで成功するのだから」といわれたそうでそれから暫くしてワーグナーが亡くなったことを知ったというエピソードもあります。



3番は初演は不評、惨憺たるものと伝わっており、マーラーがそれを最後まできちんと聞いていたというエピソードが有名です。


個人は初めて聞いた時、理解に苦しむということはなくラジオで詳細な解説があったので愉しめたことをよく記憶しています。

アーノンクールさん指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管のライブでした。



以来、3番は気に入っています。

解説で冒頭がベートーヴェンの9番のそれと似ている、とありなにか運命めいたインスピレーションを感じ興味深く聞き入りました。


ラジオでアーノンクールさんの演奏を聞かなかったらあるいは3番も単に初期の交響曲という軽い位置付けの認識だったかもしれません。





今日、聞いた3番はシノーポリさん指揮、ドレスデン・シュターツカペレの演奏です。



単発のCDは廃盤になって随分と久しいので高価ですが、タワーレコードさんが独自にシノーポリさんのブルックナーの交響曲の録音をまとめて発売しているCDが現役でございます。以前にも触れました。




フィルハーモニア管とのマーラーよりも出来栄えとしていかがでしょう、作曲家が違うので比べるのはナンセンスかもしれませんがオーケストラの響き、音色はこちらも過日先述したようにドレスデン・シュターツカペレの方がより洗練されていて豊かではないか、否、単なる個人のブランド嗜好のなりの果ての評価に過ぎないのかもしれません。


それに、噂の段階でフィルハーモニア管とシノーポリさんの仲も決して芳しいものではなかった、と聞きましたのでマーラーの出来栄えに差があるように捉えるのは控えて音楽にCDに実直に耳を傾けて聞くべきでしょうか。

確かに5番はとても個人の嗜好に合致した演奏で素晴らしいと思いました旨を以前取り上げました。



さて、複雑な評価をしている中でブルックナーの3番を聞きました。


なかなかどうして、堂々とした演奏だと思いました。変なルバート、溜めがあったりせず、何回も書きますがこくのある音色に改めて流石だと思われる瞬間、2楽章は美しいと感じられ自然な表現に惹かれます。


正攻法な3番という印象でした。自然なテンポ感で凝り凝ったブルックナーという演奏ではなく語るかのようで聞いていても全く疲れるということはなくシノーポリさんのこねくり回す変な個性というイメージが払拭されるような、見事は演奏でした。