俳優の倍賞千恵子さんが昨日武田鉄矢さんの番組に41歳のころにご出演された映像があり拝見しました。



まさしくこの映像です。なんとかわいらしくて妖艶なお姿でしょうか。歌謡曲に詳しくないので驚きました。このような一面がおありだったとは。

ともすれば寅次郎が大好きですからさくらさんのイメージしか浮かびませんが、この方はなんでもできる多才多芸な俳優さんだと改めて思い知らされた次第です。

「男はつらいよ」で拝見する度に感心することがあります。倍賞千恵子さんの洋服の着こなし方が自然で見事としかないような、一般人、若いご婦人が着るであろう衣装をさも自らの洋服の如く着こなしていらっしゃるさまに驚いています。



目の付け所が変でしょうか。あれだけ華やかなかわいらしさを自然に持たれた女性がこのように地味な服装を見事に浮くことなく着こなせることができることでしょうか。
演技と相俟って見事としかいいようがありません。

「男はつらいよ」の世界の中の倍賞千恵子さんしか知らない人間にとっては、さよならはダンスの後でのお姿も彼女本来のそれでしょうから、改めて凄い方と認識しました。

山田洋次さんの映画に出てくる俳優さんは皆さん演技が上手な、しかも垢抜けない失礼な表現ですが田舎者をも巧みに演技する俳優さんばかりご出演されてリアリティがあると思います。

実際寅次郎のような甲斐性がない人間は巷にいます(寅次郎よりたちは悪いです。)が、屁や糞の話しを平気でする人間(映画でも実際そのような描写があり渥美清さんは平気で演じていらっしゃいますが)の演出などもあり、それをいかに面白く自然に演技されているか見所でもあります。

佐藤蛾次郎さんや太宰久雄さんはその功労者でしょう。拝見していて気の毒だと思う時もありましたが、自然に演技されていると思います。
あるいは、毎回違う少しの役でご出演だった谷よしのさんも。近所にいるおばちゃんのようにしか見えませんでした。

倍賞千恵子さんもそのような個性派に囲まれて花のような存在でしたが、ヒロインにばかり目がいきがちになりますが、それは寅次郎の家族として当たり前にいる、大きな温かい存在だからこそ逆にヒロインを引き立てるような功労者としての倍賞千恵子さんの存在が輝いて見えるのではないかと思います。