20世紀から実験的に始まったレコーディング、録音。後期ロマン派の作曲家も幾らかレコーディングしています。
例えばブラームス、クライスラー、グリーグ、ドビュッシー、グリーグ、サン=サーンス、マーラー、エルガー、ホルスト、ラヴェル、ストラヴィンスキー、ラフマニノフなどは録音があります。クライスラーとブラームス、ラフマニノフ以外は聞いたことがありませんが、ユーチューブでは聞けます。
貼り付けた分はブラームスがエジソン博士に挨拶をしてハンガリー舞曲の1番を自らピアノ演奏した録音だそうですが聞き取りにくいです。N響アワーでかつて中村紘子さんが取り上げていました。
このブラームスの録音は1889年だそうで本当に実験的な要素が強かったでしょう。20世紀まで録音という技術は待たなくてはならなかったでしょうから。
1920年代後半から録音技術が高まりつつあるなかで一世を風靡したストコフスキー、フィラデルフィア管弦楽団の20年代後半の録音を今日、初めてCDではありますが聞いて意外と音の良さに驚きました。
おもちゃのような作られた音ではなく、限界はあるものの立派なオーケストラの音に感動しました。
新世界交響曲とオーケストラの小品、名物のバッハのトッカータとフーガなどです。
アンダンテレーベルがかつて発売していたCDですが復刻の仕方が最高なのでしょう。濁った音ではなく十分に鑑賞できるレベルに以前から1920年代の録音がどれくらいの音質か気になっていました。
1930年代後半からは、トスカニーニ、フルトヴェングラーの録音が今日でもよく愛好家の間では頻繁に聞かれそれはモノラルとはいえ十分に鑑賞できうる音質で耳で確認していましたからある程度想像できますが、1920年代となると思い浮かぶのは、クライスラーの自作自演集や、エルガーのオーケストラ作品のそれ、メンゲルベルク ニューヨークフィルの録音(英雄の生涯とボレロ他)にあったどこか遠くから響いてくる音を想像していました。
しかし、ストコフスキー フィラデルフィアの録音はストコフスキー自身が録音技術に関心があったこともあり、遠くから響いてくるような音という印象はそこまで感じませんで、『レコード芸術』でかつてアンダンテレーベルの特集が組まれた際に音の良さも謳っていましたから、改めて確認できて嬉しかったのです。
ストコフスキーといえば、原曲に少し “味付け” をするマエストロで有名ですが、これはもともと限界があったSPの音域を考慮して細工されていたそうです。今回聞いた分でも少しは加えられた部分はありますが演奏は立派でよくオーケストラがなっていて良い意味で個性的であると思いました。
その少し加えることでストコフスキーを嫌い二流の扱いにされる方もいますが、これほど全てを知り尽くした方は少ないのではないかと敬服しています。
強いくせ、個性は認めますが例えば展覧会の絵の編曲たるや面目躍如で賑やかで楽しいと思います。
意外な発見をできて勉強になりました。