70年代から80年代にかけてオーケストラ、クラシック音楽の範を示すような存在であったショルティ、シカゴ交響楽団のマーラーの5、6、7番のSACDを今から聞いていこうと思いまして一言書いておこうと思います。

グラミー賞を何度も彼は受賞していて何とも誇り高い、全分野合わせてもショルティが1番受賞しています(31回)。すばらしいです。
スポーツの競技中継などがあった場合は、まるでショルティのようだ、と形容されたくらいだったそうです。

お世話になった国語学の先生の奥様のご姉妹がシカゴにいらっしゃって、なかなかショルティさんのチケットはとれなかったのよ、と教えてくださいました。1度行けたらなあ、と思っていたけどね……とため息まじりにお話しくださいました。

ショルティ、シカゴ交響楽団はレコードが世の中にたくさん普及する時代に合わせるようにマーラー、ベートーヴェン、ブラームス……と次々にレコーディングされて世に問いました。

メリハリの効いた力強い合奏。特に金管楽器は世評高いところで刮目すべきですが、全て安定していて上手、ヴィルトゥオーゾと呼ぶに何ら装飾ない当たり前のことで今日でもオーケストラの模範にすべきのような演奏です。やや早いテンポを採用して聞き手を引っ張るかの印象です。

そのようなショルティは、アメリカの華々しい70年代から時代の寵児になりました。シカゴ交響楽団は60年代半ばから末を共にする伴侶的な存在がいなかった中で69年からショルティが音楽監督に就任されましたが、テレビで観たエピソードが忘れられません。

当初長年いがみ合っていたフルート奏者とオーボエ奏者がいて、仲良くせなんだら私は辞職しますよ‼︎ とショルティが強く出てオーボエ奏者があなたのフルートはすばらしいです、と発してから雪解けした……ということがあったそうです。

当時のシカゴ交響楽団の低迷期にようやく見つけた伴侶を見放していたら……案外小沢征爾さんあたりにも話がいっていたかもしれません。ボストン交響楽団よりもシカゴと先にご縁があったから(小澤さん、シカゴの春の祭典は迫力満点で最高です。)。

今回はタワーレコードさんがユニバーサルミュージックさんからの音源から独自に選んでSACD化されている
企画商品からのマーラーを持ってきました。

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彼らの代名詞的なマーラーの交響曲。音質的にも優秀です。よく各楽器聞こえます。見通しがよい音、という表現はおかしいですがよほど当時のデッカがよいマイクを持っていたのでしょうし、録音技師もツワモノばかりいたのでしょう。教会での収録ですのに残響が変に耳につくようなこともありませんし、全く理想的だと思います。



例によって語り草になっている来日時のマーラーの5番をはりつけました。充実した5番。立派ですね。







長くなってすみませんが、ショルティさんは……指揮ぶりが60年代の映像から変わっていなくて、真似できます(余興であとは晩年のカラヤン、朝比奈さん、アバド、クライバー、小澤さんの指揮真似は完璧ではありませんができます)。

表現がストレートな指揮です。

長くなりましたので、また改めて書かせていただきます。