ベートーヴェンの交響曲を自分の中で再考したいと思いまして、病院にこちらで以前気になっていたと申し上げたブロムシュテット、ライプチィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とケンペ、ミュンヘンフィルの全集を持って参りました。

今はブロムシュテットの英雄を聞いていますが、まろやかでさらっとした、70年代のドレスデン国立歌劇場のやや遅いテンポの従来型の演奏とは違い速いテンポと軽いフワッとしたきれいな透明な音色にやや力強さ、“ベートーヴェンらしさ”を少し感じられないような印象があります。

もっと力んでバチーン‼︎ と前のめりになってもよいように思いました。横に広がる音、しかも響き方まで計算されているような感じがしました。

最近のオーケストラの音色はかくも軽く柔らかいのでしょう。トスカニーニ、フルトヴェングラー、カラヤンのような剛直な音で人の耳を刺す ー穏やかではありませんがー ような強靭なフォルテッシモがないのか、と。もはや古いやり方なのでしょうか。

これでは正直印象に残りませんし、物足りません。好きな方には悪いですが、ラトル、ベルリンフィルが近年そのような音色であまり……。ティルソン・トーマス、サンフランシスコ、あるいはバレンボイム、ウェルザー=メスト、最近のムーティなど音が柔らかすぎで……。すみません。

ブロムシュテットさんの手腕は優れています。当たり前です。が音が……オーケストラが優秀過ぎて……。

昔から意外に思っていますがライプチィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団はまろやかな音色だったようです。かつてのカペルマイスターだったクルト・マズアはドイツ人でありながらややもすると弱い印象がありますがゲヴァントハウス管弦楽団の伝統もあったのかしらと今さら考えます。

かつてのベルリンフィルの方がまだゴツゴツしていたように思います。

続いてケンペの全集はなかなかに渋くてチェリビダッケ以前の古きよき時代のミュンヘンフィルの音色とケンペのすばらしい音楽性と相まった優れたベートーヴェンだと評価の高い全集です。ワーナーミュージックさんのSACD化に期待しています。いつまでも廉価盤扱いは駄目です‼︎

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ケンペの全集では特に9番が特によかったです。好きになりました。この方もこれからの大活躍が期待されながら亡くなった方で残念に故人には申し訳ありませんが残念に思う時があります。

さて、ブロムシュテットのベートーヴェンは4番の第1楽章になりましたが、さらさらした爽やかなベートーヴェンが展開されて若々しい明るい感じを受けます。