リヒャルト・シュトラウスの歌劇《サロメ》を入院中何度か聞きました。官能的な音楽と気持ち悪い、胸糞悪い内容と相俟って嵌りました。ストーリーも単純です。
好奇心旺盛かついささか淫乱、妖艶な娘のサロメが当時捕らえらていた預言者ヨハナーン(ヨハネ)に興味を持ちます。しかし、身分がある身ですから直接的な接触は法度です。
番人のシリア人の青年を先ず誑し込み、ヨハネに恋をしますが、罵声をサロメに浴びせ全く相手にされません。
サロメの継父であるユダヤの王君エロド公が厭らしい感じでサロメに接するなかで、踊れ、踊れと所望します。
この冒頭部の激しい音楽がサロメの7つのヴェールの踊りでセクシーな踊りを披露します。
欲しいものは? とエロド公から訊かれ、サロメ、ヨハナーンの首が欲しい‼︎ と。しかし、不気味なことをいう預言者の首を刎ねることを躊躇しましたが、サロメの誘惑に惑わされて聖者の首を……。サロメはその聖者の首に接吻するのでした。そして最期は、彼女も首を……。
という気持ち悪いストーリーですが、解りやすく音楽の官能的な魅力に開眼して嵌りました。難しい作品ですが、薔薇の騎士よりもサロメが好きです。変に興奮する要素があります。台詞は全く知りませんが音楽が湛えるエクスタシーに酔い痴れるのです(気取って書きました)。
クライバーが指揮してくだされていたら‼︎ と……。彼は薔薇の騎士ですからね。ベーム指揮、ハンブルグ国立歌劇場のCDを入院中楽しみました。