さっそく、続きです。
初めて被災地に行った優ちゃんが、感じたことを語ったところから始まります。
岩手県山田町の皆さんと子供たち、ご当地ヒーロー・マブリッドキバさんとの交流
【マブリッドキバ Google+】より
(続き)
「何もない。それだけの当たり前のことも、私は知らなかったんです。
そして目の前に悲惨な光景が続いている。
自分たちがこれから現地に行って、行おうとしていることを、
自分でどうなのかなって一瞬迷ったんです」
さらにメンバーの皆さんが語ってくれた。
「もうですね、現地の光景を見ると、
皆さんがどういう風に暮らしているんだろうって、
もうそういうことが頭を巡ってしまって、色々と考えてしまうんです。
なんていうんですか、バスの中が重たい空気になって、ああ、これはマズイ。
現地に行ってどうしよう。
決めてきたのに、覚悟してきたのに、炊き出しの方がよかったかなぁって。
でも自分は決めてきたんだからって」
大人の運営の方々が現地の惨状を目の当たりにして悩んでいると、
メンバーの皆さんが意を決して、運営の皆さんに言った。
「自分たちは大丈夫です!決めてきたとおり、歌とダンスでやらせてください!」
優子さんが感謝状を胸に抱いて、泣きながら語ってくれた。
「自分たちには歌とダンス、それしかないんです。
自分がずっとやってきて、皆さんに与えられるのは歌とダンスなんだって。
それを届けに来たんです。
自分が自信を持って笑顔と元気を届けることができるのは、それだけなんです。
間違っていたら、被災地の方が怒ったら、ごめんなさいって、
伝わるまで謝ろうって、ここまで来て、歌とダンスをさせてくださいって、
それで行こうって決めたんです」
そして、予定通りに岩手県大槌町と山田町で被災地訪問が行われた。
メンバーの皆さんは、避難所も回ってくれた。
深々とお辞儀をする姿、被災者の方に寄り添って話を聞き、涙する姿。
子供のために土に膝をついて握手したり、抱き合う姿。
それは本当に痛みを知っている人にしかできない接し方だった。
メンバーの皆さんは、悲しみと痛みを背負っているんだと初めて感じた。
子供たちは笑っていた。
お年寄りも笑っていた。
親御さんも笑顔になった。
オレは泣いた。
優子さんは感謝状を抱いて、泣きながら微笑んで言ってくれた。
「私たちにはダンスと歌しかないんです。なんか笑っちゃいますよね。
でも本当にそれしかなかった。
それで誰かの為に何かができるのなら、皆さんに少しでも恩返しできるのなら、
それをやらせて頂きたいんです」
そして、メンバーの皆さんの訪問は終わって、山田町訪問から約半年、
子供たちがオレに伝えてきた。
「この1年で、自分たちを応援してくれた人に手紙と感謝を届けたい。
自分の力だけで、大人の力は借りないから、AKBのメンバーと皆さんに、
ありがとうを届けたい。力を貸してください」
そして、山田町の各学校の先生方や親御さんの許可をもらって、
子供たちは感謝状と手紙を書いて、オレに託してくれた。
それを山田町に来たメンバーの皆さんが揃って受け取ってくれた。
泣いて、笑って、自らの疑問や不安も隠さずに話してくれた。
オレはこれを機に「ご当地ヒーロー」をやめた。
おふざけ半分でやってきて、誰も守れなかったし、夢も与えられなかった。
その代わりにAKB48グループの皆さんが、子供たちを救ってくれたんだ。
自らヒーローだの平和を守るだの、もう言えなくなったし、言う事もない。
今はただ、恩返しとして子供たちとAKB48グループの、
小さな架け橋の役目をただただ全うして、続けていければと思っているんだ。
満ち足りて光を浴びているAKB48グループのメンバーの皆さん。
でも、それはいつも最前線で走り続けなきゃいけないということだ。
後ろを振り返ることもままならないだろうと思う。
そのジレンマは今回のメンバーの皆さんの言葉からも察することができる。
だが、それでも現地の子供たちには希望の光なんだ。
大変なことだと頭ではわかっていた。
でも、現地に行くと、そこには自分たちの想像をはるかに超え、
目の前にそれまで見たことも無いような悲惨な光景が広がっていた…
優ちゃんも強いけど、AKBのメンバーって本当に心が強いですね。
どうしようって思っても無理もない、現地はまだそんな状況だったのだから。
弱気になる気持ちを奮い立たせて、とにかくやろうと、
みんなの前に出て、歌ったメンバーたち…
あの笑顔の裏には、必死に現実に立ち向かう健気な心があったんですね。
被災地との交流、まだまだ続きますよ。
次回をお楽しみに(*^^)v