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ギフト〜なな色の羽

私の中から産まれたがった言葉やお話を書いています

 仙台 勝山館(しょうざんかん)は結婚式等が行われる老舗の総合斎場だ。

 玄関を入ってすぐのフロントの横には、甲冑や豪華な絵皿が飾ってある。

 ここのイタリアンのお店、〈パドリーノ•デル•ショウザン〉で、ランチをいただいた。

 店内の大きな窓からは、日本庭園が見える。

 この庭にある蔵舞台では、神前式が執り行われるらしい。

 庭に長く伸びる回廊を進んでいく花嫁の姿を想像した。


 店内は、ゆったりとした雰囲気で、テーブルには、流れるような銀の波模様の白いクロスがかけられていた。

 その上に置かれたガラスのお皿は、ハート型をしていて、可愛らしく、モダンな雰囲気だった。

 料理への期待感が高まる。

 その期待通り、華やかな前菜が大きなガラス皿に盛られ、出てきた。

 このお皿のなかに、二輪の小さな花を見つけた。

 豪華なひと皿に、添えられたというよりも、舞い込んできたかのような新鮮さと驚きがあった。

 とても可憐で、儚く見えたのだ。

 花の命を意識しはじめた私は、このままお皿を下げられるのが、つらかった。

 私は、花をハートのガラス皿へと移し、楽しむことにした。

 私の心にも、ぱっと花が咲いた。


 私の小さなこだわりに関係なく、花はただ咲いている。

 自身を、咲ききる。

 この命の華を受け取ろう。
 

 繊細で美味しい料理、器も素敵なものだった。

 そして、老舗らしい、洗練されたおもてなしにも、大満足だった。

 私は、感謝して、この華やかな席を立った。